日本語

小説家・古川日出男、北京で「アジア文学」を語る(2)

CRIPublished: 2019-04-02 20:23:00
Share
Share this with Close
Messenger Pinterest LinkedIn

それができたことは、自分にとってはすごく奇跡のようなことです。

【プロフィール】

古川日出男(ふるかわひでお)さん

小説家。

1966年福島県生まれ。早稲田大学文学部中退。

1998年、長篇小説『13』でデビュー。第4作となる『アラビアの夜の種族』(2001年)で日本推理作家協会賞と日本SF大賞をダブル受賞。『LOVE』(2005年)で三島由紀夫賞、『女たち三百人の裏切りの書』(2015年)で野間文芸新人賞と読売文学賞をダブル受賞。2016年刊行の池澤夏樹(いけざわなつき)=個人編集「日本文学全集」第9巻『平家物語』の現代語全訳を手がけた。その他の代表作に『サウンドトラック』(2003年:仏・伊語に翻訳)、『ベルカ、吠えないのか?』(2005年:英・仏・伊・韓・露語に翻訳)、『聖家族』(2008年)、『馬たちよ、それでも光は無垢で』(2011年:仏・英・アルバニア語に翻訳)、『南無ロックンロール二十一部経』(2013年)などがある。

文学の音声化としての朗読活動も行なっており、2007年に文芸誌「新潮」で朗読CDを、2010年には文芸誌「早稲田文学」で朗読DVD『聖家族 voice edition』を発表。宮沢賢治の詩を朗読したCDブック『春の先の春へ震災への鎮魂歌』(2012年)も刊行している。

また他ジャンルの表現者とのコラボレーションも多く、これまでに音楽家、美術家、漫画家、舞踊家等との共演・共作を多数行なっているほか、2014年には蜷川幸雄(にながわゆきお)演出の舞台のために戯曲『冬眠する熊に添い寝してごらん』を書き下ろした。

2011年の東日本大震災の後、自ら脚本・演出を手がけた朗読劇「銀河鉄道の夜」の上演や、言葉と表現をテーマにワークショップなどを行なう「ただようまなびや文学の学校」の主宰など、集団的な活動にも取り組み文学の表現を探究している。

近年は世界各地で開催されている文学イベントに度々参加し、講演や朗読パフォーマンスがいずれも高評を得ている。

【リンク】

★2019年3月19日放送/「千年に一度」の文学的理解から始まった紫式部との共同創作

★2018年9月18日放送/千の耳を持つように~小説家・古川日出男さん清華大学での講演会から

★古川日出男作家デビュー20周年×期間限定×公式ウェブサイト

◆リスナーのお便りから

【愛知県・ゲンさん】

楽しみにしていた、CRIインタビュー、古川日出男さんの2回目。今回も圧巻でした。

ラップとは又別世界の、音声表現の「平家物語」が、立体的に、強烈に私の心のドアを叩きました。

中国の故事が入っている語りで、平重盛(たいらのしげもり)の若く凛々しいセリフの内容を

聴きとって理解するのは難しかったです。

でも、朗読が終ると大きな拍手でした。それは文学が「音」として伝わった瞬間で、

それこそ「琵琶を弾いて語る芸能」なのだと感じました。重盛の人間性が伝わったのだと思いました。

リズムやビートのきいた、まさに「音楽的文体」あってのことでしょう。

第12巻のタイトルが「大地震」で、1185年の京都の大震災が語られ、

833年後の今語られて福島と同化するところに度胆を抜かれました。

そして、誰が語り手か分からない平家物語が、「私たち」という不特定多数の現代の犠牲者に重なるすごさ。

これも完全に聞き取れなかったけれど、心がざわついて、亡くなった人たちの声ではないかと、思ってしまいました。

この番組をお聞きになってのご意見やご感想をぜひお聞かせください。メールアドレスはnihao2180@cri.com.cn、お手紙は【郵便番号100040中国北京市石景山路甲16号中国国際放送局日本語部】もしくは【〒152-8691東京都目黒郵便局私書箱78号中国国際放送局東京支局】までにお願いいたします。皆さんからのメールやお便りをお待ちしております。

首页上一页...2345 5

Share this story on

Messenger Pinterest LinkedIn