小説家・古川日出男、北京で「アジア文学」を語る(3)
2011年の東日本大震災の後、自ら脚本・演出を手がけた朗読劇「銀河鉄道の夜」の上演や、言葉と表現をテーマにワークショップなどを行なう「ただようまなびや文学の学校」の主宰など、集団的な活動にも取り組み文学の表現を探究している。
近年は世界各地で開催されている文学イベントに度々参加し、講演や朗読パフォーマンスがいずれも高評を得ている。
【リンク】
★2019年4月2日放送/『平家物語』現代語訳での試みと、見えてきたもの
★2019年3月19日放送/「千年に一度」の文学的理解から始まった紫式部との共同創作
★2018年9月18日放送/千の耳を持つように~小説家・古川日出男さん清華大学での講演会から
★古川日出男作家デビュー20周年×期間限定×公式ウェブサイト
◆リスナーのお便り
<名古屋・ゲンさん>●早口で難しいお話と思って必死で聞きました。
今回の最後のアンコール朗読も、すさまじい表現で、聞いている方が武者震いし、
歴史的な戦いの空間を感じてしまうので、古川さんの欲ばりな発想、表現スタイルに嫉妬してしまいました。
フランスの作家の戯曲を、1991年の新潮文庫と2008年の早川演劇文庫の翻訳で朗読し、
古川さんは、二人の朗読を聞いて、本当はフランス語で言いたかったことは、こうなんじゃないかと、新しいセリフを作っている。
3人の勝手な朗読を観客に聞かせて、本質に近づけていくという試みは斬新ですね。
私事ですが、昔、般若心経全文の漢字をバックにして、
お経をそのまま読む人、翻訳文を同時に読む人に分けて同時に声を出して遊んだことがあります。
家の法事でお坊さんを招いた時、法話の後でその話をしたら、
とても興味を持ち、「位の高い僧侶に話してみます」と言ってました。その後どうなったか、気になっています。
パソコンで、番組のホームページを見たら、
古川日出男さんのお話のテープ起こしが載せてあって、ギョッとしました。
ラジオで聞いているだけだと、お話のスピードに必死についていかなければならないのですが、
この字を繰り返し見て、内容がより分かってきて助かりました。
「これがいい」、「こっちもいいよ」、「あっちもいいよ」、「同じもの見ているんじゃん」。というのは分かりやすい説明ですね。
アジア文学は、境界線を越えた、私たちみんなが見ている、あるいは、ずーーーっと見てきた地平線にあるということでしょうか。
●古川さんの講演を聞いて、先に放送したスペシャルバスケットのイメージが逆送してきました。
菊地裕子さんは、障害者や高齢者の気安い服を研究していて、スペインやフランス、英語の国、もちろん中国でも
日本語onlyで凌いできたというお話でしたね。自分が話せなくても相手が近づいてきてくれるという
とても素朴な温かいお話振りに、古川さんの試みは通じているように思いました。
ちょっと乱暴な連想でごめんなさい。
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