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<コロナ禍の戦後75周年、私が今思っていること>その5~神奈川県・久保孝雄さん

CRIPublished: 2020-08-12 01:15:00
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筑波山

「エドガー・スノーさんの本を読み、中国に志を立てたとき、朝焼けの筑波山に誓った思い出の山」

しかし、誕生した新中国の前途は茨の道だった。土地革命、反右派闘争、大躍進、人民公社、中ソ対立、文化大革命など、建国後30年間、中国は激しく揺れ動き、多くの犠牲者を生み、世界の左翼運動にも深刻な打撃を与えた。国連復帰が1971年、日中国交正常化72年、米中国交回復79年など、国際社会への復帰も20〜30年を要した。

中国が国内の安定を回復して、建国の理想に向け、社会主義市場経済(特色ある社会主義)の道を力強く歩みだしたのは1979年の改革・開放への転換以来である。それから40年、昨年成立70年を迎えた中国はGDPで日本の5倍、米国に次ぐ(購買力平価では2014年に米国を抜いた)世界第2の経済大国になり、政治、外交面でもG20、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)、上海協力機構(中、ロ、中央アジア4か国、インド、パキスタンによる国家連合、SCO)の中心メンバーとして国際的な存在感を大きく高めている。

3、米国=覇権崩壊、中国台頭に危機感、中国=米国と共に大国の責任果たす

しかし、その中国を自らの地位を脅かす脅威と感じ、あらゆる手段で中国の台頭を抑え込もうとしているのが米国である。本土で戦争のなかった米国は戦後世界で圧倒的な力を持つ存在となり、世界のリーダーにのし上がった。唯一のライバルだったソ連を冷戦で制圧(1989)した米国は文字通り世界の覇権国として君臨し、世界中に600の軍事基地を配置し、気にくわない政権を潰し、服従しない指導者を暗殺したり、我が物顔に振舞ってきた。多くの国は米国の振る舞いに不満を持ちながらも圧倒的な軍事力の前に沈黙を余儀なくされて来た。

しかし今、米国の一極支配は2つの面から崩れはじめた。1つは米国経済の衰退である。グローバル経済の中で米国製造業は競争力を失い、空洞化が進んだ。競争力があるのは、航空、宇宙、ハイテク、金融、農業だけになった。20年近い「テロとの戦争」で6兆ドルも使い果たし、財政も困窮してきた。もはや「世界の警察官を続けるカネはない」(トランプ)。

もう一つは、中国の急速な台頭である。これまで米国に迫るような国は一つもなかった。ところが中国は経済面で着実に米国に迫りつつあり、国際政治、外交面でも大きく存在感を高めてきた。アジアでも世界でも、これまでのように中国を無視して我が物顔に振る舞うことができなくなってきた。

しかし、米国は一極支配は失っても世界No.1の地位は断固死守したいと考えている。それを脅かす中国は許せない、というのが最近の激しい中国攻撃の背景であるが、中国の脅威を意図的に誇張している。中国は早くから「覇権を求めることはないし、米国に取って代わろうと考えたこともない」「米国とは衝突せず、対抗せず、安定した関係を保ちたい。そのため国際法の尊重、平等な対話と協商が必要だ。ともに協力して世界が直面する問題に大国としての責任を果たしていきたい」(王毅外相・要旨)との立場を繰り返し表明している。

さらに、中国は「一帯一路」や「人類運命共同体」の構築など新しい世界ビジョンを提唱し、平和と福祉と繁栄に満ちた世界の創造を呼びかけている。新型ウイルスによるパンデミックや地球温暖化による異常気象など、人類がともに手を携えて立ち向かうべき課題が差し迫っている今、否応なしに人類運命共同体をめざして国際的連帯を強めていくことが緊急の課題になっている。

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