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<コロナ禍の戦後75周年、私が今思っていること>その5~神奈川県・久保孝雄さん

CRIPublished: 2020-08-12 01:15:00
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ご案内:王小燕

中国でも日本でも、夏と共に蘇る記憶があります。それは、戦争にまつわる記憶です。

ただ、同じ戦争の記憶ではありますが、日本では「終戦75周年」「広島、長崎の被ばくから75周年」などとして記憶されています。それに対して、中国では「中国人民による抗日戦争並び世界人民による反ファシズム戦争勝利75周年」の年として銘記されています。戦争の終結から75年となるこの夏は、新型コロナウイルスによるパンデミックがまだ世界で続いています。過去になかった未曾有の事態の下で迎えたこの夏、皆さんが両国の歴史や今について思っていることをぜひお聞かせください。

2020年8月11日・北京北海公園に咲くハスの花

メッセージ募集のご案内

<コロナ禍の戦後75周年、私が今思っていること>

字数:ご自由に。

署名:本名・ハンドルネーム・ペンネームのいずれも可。

形態:文字原稿・音声ファイルでの投稿のいずれも可。

宛先:riyubu@cri.com.cn

タイトルに「75周年メッセージ」と明記してご送信お願いいたします。

我が人生に悔いなし平和な世界の実現に国際的な連帯が必要

元神奈川県副知事・久保孝雄さん

1945年、ファシズム・ドイツと軍国主義日本が連合國(米中ソなど)に無条件降伏し、第2次世界大戦が終息した。戦争の犠牲者は史上最大の9000万人に達した。生き残った人々は計り知れない血と涙で贖(あがな)われた平和を噛みしめ、戦争の無い世界を心から願い、決意しつつ新しい歴史を歩み始めた。国際連合をはじめ新しい国際秩序がつくられた。しかし、この時生き残った人々の願いは実現しているだろうか。今やあの戦争の惨禍を体験し、記憶している人はごく少数になってしまった。それだけに節目の年に戦争の記憶を呼び起こし、あの時人々が願った平和な世界が実現しているかどうかを検証することが、今を生きる私たちの大切な務めになっている。

1、日本敗戦、占領、復興、高度成長、挫折、長期低迷、岐路

16歳で日本の敗戦を迎え、今年90歳になった私はこの75年間に2つの大きな歴史的体験をした。第1は、中国大陸で中国に、太平洋地域で米国に敗れた日本が、歴史上初めて外国軍に占領(1945〜52)されたことだ。占領軍の総司令官(米軍人)が日本の最高権力者になった。占領初期には軍国主義一掃のため、日本軍の解体、戦犯追放、政治犯釈放、財閥解体、地主制度廃止、労働運動合法化、新憲法制定勧告など多くの民主化政策を進めた。

しかし、米ソ冷戦の開始(1947)と共に日本を反ソ・反共の防波堤にするための政策に転換し、報道機関からの共産党員追放(レッドパージ)と言論統制強化(あらゆる出版・放送、個人の親書まで検閲、米国や占領軍批判は禁止)、労働組合や左翼政党の活動制限などが厳しく行われた(共産党は非合法化)。こうした政策を進めるため、占領軍は既存の支配体制を利用することを決め、最高戦争責任者である昭和天皇を免責し、明治以来天皇制国家の骨格であった官僚機構をそのまま温存、利用した。

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