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日本人スタッフのつぶやき344~中国で一番大事な言語が英語という事実

CRIPublished: 2017-09-14 09:34:00
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向田和弘

もし私が敏感であれば、もっと昔に気づいていたのではないかと思うのだが、ひどく鈍感な私は、中国に住むようになって10年目を過ぎたあたりからやっと、一つの事実に気づき始めた。それは、「中国で一番大事な言語が英語である」という事実だ。いささか逆説的ではあるが、紛れもない現実の一部だ。

■英語人材ニーズは年々上昇中

中国の民間企業に勤め、「経済指標の一つとしての平均年収」を調べることが日課のようになっていた当時の私は、ネット上の転職サイトをいくつかハシゴする癖がついており、さらに、当時から管理職の採用を担当することも多くなっていた為、採用に関する必要条件に取り分け注目するようになっていた。

そしてこの10年ほど前から、この国には採用にあたって幾つかの階層が存在していることが分かった。階層というと語弊があるかもしれないが、要は極めて能力主義になってきたと言い換えても良いかも知れない。それは昔は学歴という紙で証明されるものが中心で、大卒であったり関連学部卒であることがある程度の質の保証を意味するものだった。

もちろん、思考能力の低下したHR部門のスタッフには、往々にして履歴書を読む能力はなく、学歴は人材分別のための基準として存在する。しかし、中国では1999年から大学の合格枠の拡大が始まり、その後その学生らの卒業に合わせて、受け皿としての合格枠拡大が連鎖反応のように起こっており、それまでの学生と比較すると、当の学生でさえ「質が落ちた」と言って憚らない教養の凋落が始まっていることが、人材マーケットの状況を変えつつある。

学術の世界で泰斗と言われる人物はほぼく亡くなってしまった。77年に全国大学統一入試が復活してからも、学生の質は落ち着いていないようであるから、これは仕方のないことかもしれない。そして、最後の砦であった直系の学術継承者(直弟子)の人々も、約15年ほど前には一線を退き、現在では若手が学校を仕切るようになっているので、余計に現実社会に迫られる形で拝金的にトランスフォームした「職業学者」の色が濃くなっているのが悲しい現状である。

話が逸れた。中国では、そうした質が低下し、様々なものが画一化された教育機関を卒業した人数が爆発的に増えている。しかし、企業の数、ポジションの数はあくまでも限定的である。さらに、出てくる人数が増えるということは、それなりに玉石混交を免れなくなり、現場からは「人はいるけど人材はなかなか・・・」というぼやきを聞くことになる。さらに、中国ではこの20年で急速な国際化が進行しており、北京などの大都市では、人口の20パーセントが外国人に成った時、という目標のもと、各種のライフライン建設が急がれている。そうなると、勢い外国人に対応できる公共施設が求められ、さらには外国との関係をつなぐ人材を求めるようになってくるのは火を見るよりも明らかなこととなる。中国のその辺の意識は日本よりも数段高く、それを受け止める市場の成長も目を見張るものがある。しかし、実際には日中韓ではあまりにも国際通用語としての英語を理解する人材が育っていない。この三国以外の周りの国を見れば、どの国でも当然のように英語を喋っているのに、だ。

■大学卒業には英語の級が必要

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