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COP26開幕を前に「中日は気候変動対応で連携すべき」と両国の専門家

CRIPublished: 2021-10-30 18:41:00
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一方、今年から本格的な施行となった『パリ協定』は合意から約6年が経過しているにもかかわらず、まだ交渉が完了していない実施細則があり、中でもカーボンプライシングに関する第6条が特に注目を集めています。カーボンプライシングに対する世界各国の関心が高まる中、今年7月、中国は世界最大規模となる温室効果ガス排出量取引制度(ETS)の運用を上海で正式に始めました。日本銀行前副総裁(現大和総研理事長)の中曽宏氏は「ETSの稼働条件に大変関心を持っている」と示しました。中曾氏は、「今はまだ取引額が大きくなく、CO2の価格も欧州と比べるとまだ低いが、制度設計の面においては、測定、報告及び検証(MRV)が常に重視されている。そのうえ、金融派生商品とリンクさせることも視野にある」ところに注目し、今後、排出量取引制度の確立を目指す日本にとっては「有益な視点を提供する」と指摘しています。

パネリスト・石井菜穂子さん

「地球環境ファシリティ(GEF)」の元事務局長で、東京大学未来ビジョン研究センターの石井菜穂子教授は、気候変動という地球環境の危機について、「これまでの経済のシステムが地球のシステムと衝突していることから起こっている」とし、根本的な解決は経済社会のあり方を転換できるかに尽きると指摘しています。また、石井教授は、この問題は、「日中を含め世界の主要な国々が共通して取り組んでいく必要のあるテーマである」としたうえで、中国が早い時期から「生態文明」「循環経済」を打ち出して転換を始めたと高く評価しました。

「今ある経済システムをどのように地球のキャパシティと合わせていくのかという観点から気候変動問題を考えると、生態文明や循環経済といった考え方に則った新しい経済システムづくりが非常に重要になってくる」と石井教授は指摘しています。

石井教授はまた、気候システム、生物多様性、水の循環、森林、海洋など、人類の繁栄を支えてきたグローバル・コモンズに「自然資本」の考えを導入し、値付けを含めて、共同で守るルールを作る「自然を基盤とした解決策(NbS)」の考えの共有を強調しています。「中国は非常に早い時期から生態文明、循環経済という考え方を提案している。ある意味、今、我々がこの分野で求めようとしている解の大きな方向性は示していただいている」とし、「中国のリーダーシップに期待している」と話しました。

第17回北京ー東京フォーラム「国際協調」分科会・東京会場

◆気候変動問題での協同が共通認識に

清華大学気候変動・持続可能な発展研究院の楊秀院長補佐は、石井教授による「自然を基盤とした解決策(NbS)」の訴えに「非常に賛同する」としています。楊秀氏は、NbSは2019年の国連気候行動サミットで採択された気候変動対策の重要9項目の一つに位置付けられており、中国国内では、カーボン排出量のピークアウトとカーボンニュートラルに向けた10大アクションの一つでもあると紹介しました。

パネリスト・楊秀さん

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