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伝統文化の魅力をもっとたくさんの人に~琵琶演奏家方錦龍さんに聞く

CRIPublished: 2021-03-09 18:37:00
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「20年ほど前は、中国の音楽ホールに行きますと、ポスターの9割以上が西洋の楽器による、西洋の演目の演奏会で、自分が外国にいるような錯覚になったことを覚えています。中国自身にも、古代から伝わってきた豊かな音楽や文化があります。それをもっと多くの人に知ってもらいたい。その第一歩として、何よりももっとたくさんの人に関心を寄せてもらいたいのです。見向きもしてくれなければ、伝統楽器の良さを知ってもらうチャンスもないのです」

そして、「現代の多くの『新しいもの』は、その歴史を振り返れば、過去にすでにあったものでした。一例をあげれば、へそ出しルックだって、敦煌壁画にすでに登場していた衣装ですよ(笑)。ルイヴィトンのロゴマークも、古代の琵琶の絵柄からその原型を見てとれます。伝統文化を知れば知るほど、現代に通じる新しいひらめきが生まれてきます。そのために、伝統文化の魅力を広く伝えるのに役立つ企画なら、形に拘らず私は喜んで引き受けています」と、続けました。

(左)琵琶奏者・方錦龍さん(右)作曲家・馬久越さん

新しいもの好きの方さんは、目新しさを求める歩みを止めたことはありません。昨年末、中央民族楽団専属の作曲家・馬久越さんと提携して、ニューアルバム『音楽・詩経』をリリースしました。中国最古の詩集『詩経』をモチーフにして、新たに作曲した10曲が収集されています。このアルバムには、方さんが演奏する五弦琵琶だけでなく、弟子や仲間たちによる様々な中国の古代楽器や西洋の楽器も使われています。曲の一つ一つは古典文化の香りが漂っていながらも、現代風の音楽を聴き慣れた若者の耳にも心地よく聞こえるワールドミュージックに仕上がっています。

「『民楽』(民族音楽の略称)は言葉通り、人々が楽しく聞くことができる音楽です。若者の民族音楽離れを他人のせいにしても何の役にも立ちません。同じ料理を毎日食べると飽きてしまうのと同じように、いつまでも古代伝来の、数に限りがある古曲だけでは、若者を幅広く引き付けることができません。どんどん新しい曲を作り、新しい試みをしてこそ、より多くの人に伝統に目覚めてもらうことができるのです」

方さんが言うには、琵琶の字には『王』が四つもあり、王の下にはそれぞれ文化の比較と融合を意味する字が入っています。これからも方さんはこよなく愛す琵琶を奏で続け、伝統音楽の魅力を大勢の若者に知らせ続けていくことでしょう。

■<リスナーさんの受信報告から>

★名古屋・ゲンさん

方錦龍さんは、インターネットの春節の夕べで視て、衝撃を受けましたが、今回もたっぷりうっとり5弦琵琶の演奏を聴かせてもらいました。琵琶という漢字に「王が四つ」あることにも、初めて気付きました。ラジオだと特に、方さんの指って20本くらいあるんじゃないかと思っちゃいます。特に5本琵琶の世界の楽器、曲の弾き分けには、心を奪われました。

いちどぜひぜひ生演奏を聴いてみたいです。

★東京都・三輪徳尋さん

「2021年央視網絡春晚」での方錦龍さんのエレキ琵琶のステージは、とても古典楽器の琵琶とは思えない先鋭的なパフォーマンスを見ることができました。現代のネット世代の若者もこうしたステージをみていれば、自然と伝統的な楽器の音色に関心を持つようなるのだろうと思います。私も今年の網絡春晚での方さんの演奏で本当に久しぶりに琵琶の音を聞きました。今までは、こうした現代音楽での演奏にはあわないとして伝統楽器を使わなかっただけなのか。長い伝統やが邪魔をして演奏をためらったことなのか。演奏方法によって受ける印象は大きく違い、伝統楽器でも現代的な音楽を奏でることができることが新鮮に思えました。

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