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伝統文化の魅力をもっとたくさんの人に~琵琶演奏家方錦龍さんに聞く

CRIPublished: 2021-03-09 18:37:00
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「当時の自分は琵琶のことなら、何でも知っていると高をくくっていました。しかし、かつて中国で五絃の琵琶が弾かれていて、日本にまだ保存されているものの、中国ではもうすっかり姿が消えてしまっていることを知り、ショックを受けました」

帰国後、「なんとか五絃琵琶の音色を復元したい」という思いがつのり、方さんは敦煌の壁画をはじめ、歴史について猛烈に勉強を始めました。大勢の人を訪ねて、ついに江蘇省で、五絃琵琶の試作を一緒にチャレンジしたいという琵琶職人に出会えました。

琵琶奏者・方錦龍さん

ところが、弦が1本増えれば胴体もそれだけ大きくなり、弦と弦の間隔も狭くなり、それだけ演奏が難しくなります。手さぐりの試作が続き、1989年にようやく五絃琵琶の形がほぼ固まりました。あれから30年の月日が流れました。この間、5回も手を加えて改善し、その都度バージョンアップさせてきました。と同時に、方さんは上海音楽学院の教授に、敦煌の楽譜の翻訳に協力してもらい、少しでも唐代の音色に近づける努力をし続けてきました。

「あなたの復元した五弦琵琶って、本当に唐代の音色ですか、とよく聞かれます。これに対して、私は自分が復元したのは、あくまで現代版の五絃琵琶だと思っています。この試みで、少しでも古代の人々、古代の文化と対話をしたい。その努力により、琵琶に含まれている豊富な表現力を引き出し、その生命力をより生き生きとしたものにしたい、このことに尽きると思っています」

古代の人と対話し、且つ現代人の生活に古典を浸透させたい。この二つの方向で方さんは取組み続けてきました。エレキ琵琶の試作こそ後者の一環です。

友達作りが好きな方さんに、楽器の電気化に専念する20年来の友人がいます。エレキ琵琶はその友人と3年余りにわたって一緒に研鑽してきた成果です。単なる外見の良さやビジュアル効果だけでなく、ブルーツゥースにも対応しており、様々な通信技術も搭載されている優れものだそうです。発光の色はステージのトーンに合わせて白やブルーに調節できるそうです。

CCTVの年越し番組では、その琵琶は青色で初お披露目となりましたが、その後は、北京冬季五輪を迎える企画で、中国を代表する名ピアニストの李雲迪さんとの共演で、雪や氷をイメージさせる白で登壇していました。

「琵琶は中国の民族楽器の王者で、ピアノは西洋楽器の王者です。この二つの楽器の共演は西洋文化と東洋文化の対話そのものです。そういう意味で、冬季五輪は東西の文化が対話するプラットホームを提供する祭典になると私は期待しています」

ちょっとした改良で、伝統楽器に新しい命を吹き込ませる。これがまさに方さんの取り組みと言えます。

◆伝統文化の「斬新さ」に目覚めてほしい>

ニューアルバム「詩経」のポスター

ところで、若者が好きな動画投稿サイトでの発信から、バーチャル歌手や超人気ネット歌手との共演……一連の新しい試みをやっている方さんは決して、ただ人目を引くためだけではなく、そこには彼の伝統文化への熱い愛が込められています。

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