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中国駐在歴19年、日本通運・廣田靖さんが語る中国の商環境と「中欧班列」

CRIPublished: 2019-05-07 20:13:00
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また、もう少し細かな話をしますと、中国と欧州の輸送ルートは、沿海部の都市同士なら海上輸送が費用的にもリードタイム的にも良いですが、重慶のような内陸部の都市と大型船が着かない欧州の港や東欧との連結は、リードタイム的には鉄道のほうがずっと早いし、費用は結果的にあまり変わらない。場合によっては安くなるかもしれません。今後、そういった部分では、鉄道輸送がサプライチェーンの主役になっていくということが期待されています。

ーー習近平国家主席が第2回「一帯一路」国際協力サミットフォーラムの開幕式で行った基調講演の中で、相互連結や鉄道整備の重要性についても言及していましたが、こうした発言をどう受け止めていますか。

二つあると思います。つまり、中国の国内の鉄道網とゲートウェーから欧州あるいは中央アジアを結ぶ鉄道網の二つの面です。

中国と欧州、または中央アジアを結ぶ鉄道網というのは、中国だけの力ではできません。沿線国家の皆様の力が必要です。「一帯一路」によって、中国の利益だけではなく、沿線国家ならびに周辺国家なりが、さらに栄えていくということでもって、インフラを増強する。あるいはトレーシングをもっときちんとする。特に、その帰り便ですね。欧州、中央アジアから中国に来る、あるいはそこを経由して、台湾、韓国、日本というルートを我々は物流会社として、一緒になって構築していきたいなと思っています。

中国国内の鉄道輸送網も期待されていますし、更に沿線諸国の発展と合せて、我々は「一帯一路」に関しては大きな期待をしています。

ーー最後に、物流企業の視点から、「一帯一路」をより豊かなものにしていく上でのご提言をお聞かせください。

本当に切望したいことは一つあります。それは、ポーランドにある積み替えのターミナルであるマラシェビッチの積み替えというのがキーワードなんですね。マラシェビッチというのは、シベリア・ランドブリッジでくるものも、二連浩特、満州里、アラシャンコウ(阿拉山口)、ホルゴスから欧州へ入る場合、全部マラシェビッチ経由なんですよ。

マラシェビッチにおける鉄道の積み替え能力の限界が、いわゆる「中央班列」の限界になるということを非常に危惧しています。「何年か後にはもう処理能力が何倍にもなりますよ」という青写真がきっちり見えるようにして頂けると、我々もお客様に対して、「SCM(サプライチェーン・マネジメント)の主役になれますよ。何も心配いりませんよ。どうぞうちを使ってください」(と言うことができる)。やはり、「一帯一路」の構想をより太くしていく、ボトルネックをなくしていくというのが、我々物流会社の切望していることです。

【プロフィール】

廣田靖(ひろた・やすし)さん

日本通運株式会社東アジアブロック地域副総括兼経営戦略室長

1964年生まれ1988年に日本通運入社

1992~99年珠海勤務

2004~2008年上海勤務

2011~2012年広州勤務

2012年~現在上海勤務中国駐在歴累計19年

国際フォワーディング、倉庫配送、自動車部品輸送の現場を経験。

現在、東アジアの経営戦略部門の責任者

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