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上野千鶴子ブーム中国女性の本音と社会背景

CRIPublished: 2023-05-30 12:02:24
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数多くの女性が、大家族の一員としての存在ではなく、社会の中で比較的独立した存在として誕生するようになったことが、上野千鶴子ブームの大きな背景の一つになっています。

■ブームはいつまで続くのか

このブームは今後も続いていくのでしょうか。

さまざまな見方がありますが、その中には、「ソーシャルメディアの話題に巧みに乗ったコマーシャリズムの成功だ。フェミニズムという課題は、お悩み相談的なカウンセリングではなく、もっと落ち着いた環境の中で、じっくりと議論を深める必要がある」という意見もあります。

愛読者のSさんは、「上野氏の本が発端となったフェミニズムに関する議論は、中国で始まったばかり。北京では、職場や社会で目に見える形での性別差別を感じることはないが、『30歳も過ぎたのに、まだ結婚しないの?』といった類の見方――女性への見えない差別はたしかに存在している。権力を笠にした部下へのセクハラ報道も耳にする。そういった現実がある以上、上野氏のシャープな分析力と表現力は必要とされ続けるだろう」と考えています。

世界経済フォーラムが2022年に発表したジェンダー・ギャップ指数の報告では、「世界が男女平等を全面的に実現するには少なくともあと132年かかる」とされており、上野氏の本は今後も、中国や日本に限らず、世界中で幅広く読まれていくと考えられます。

また、大学教師のGさんは「上野氏の本当の問題意識は、現代社会にいる人間の生き方そのものにある。性別は関係なく、人間がどうすればより良い社会を作り出せるのか。移行期を生きる中国人にとって、そういったアプローチからの発信は有意義な参考になる」と語り、フェミニズムの視点を超え、上野氏の著書の価値を評価しています。

急速に変わり続けていく中国社会。心のよりどころを探し求めるニーズがある限り、上野千鶴子氏の本は間違いなく読まれ続けていくでしょう。

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この番組をお聞きになってのご意見やご感想は、nihao2180@cri.com.cnまでお願いいたします。件名は【火曜ハイウェイ係りまで】。お手紙は【郵便番号100040中国北京市石景山路甲16号中国国際放送局日本語部】までにお願いいたします。皆さんからのメールやお便りをお待ちしております。

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