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【特別寄稿】清華大学劉暁峰教授:卯年のハナシ月にウサギがいる理由

CRIPublished: 2023-01-01 10:45:48
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湖南省長沙市で出土た漢代の古墳・馬王堆の帛書(シルクに描かれた絵)には、満月を食べているヒキガエルの絵が描かれています。この絵では、月はほぼ食べ尽くされ、わずかに縁だけが残っています。そのヒキガエルの向かい側に描かれているのが、ウサギの姿です。漢代の人は、たとえヒキガエルに食べ尽くされようとも、ウサギが立ち上がって助けに行くことで、月は復活するのだと信じていました。

北京土産の定番でもある「兎児爺(トゥルイエ)」の泥人形

中国の民間では、その後もウサギのイメージはさまざまに発展しました。一部の地方では、「玉兎」は神獣として切り絵の題材になり、新年や中秋節などに飾る縁起ものとされています。また、北京では中秋節に「兎児爺(トゥルイエ)」と呼ばれるウサギの人形が飾られます。

このように中国には、子だくさんのウサギ、不老不死の薬をつくるウサギ、正義の味方のウサギなどなど、ウサギに関する多様なイメージが定着しています。ウサギひとつとっても、伝統文化を読み解くたくさんのカギが秘められていることが分かります。

剪紙「天秤棒をかつぐウサギ」山東省高密

『中国吉祥剪紙図集』藩魯生・陳魯夏編著北京工藝美術出版社1999年

■癸卯年希望が芽吹く年になれ

陰陽五行説に基づけば、2023年は癸卯(みずのと・う)年です。

『説文解字』によれば、卯とは「冒也。二月,萬物冒地而出。象開門之形」──つまり、開かれた門の形をしており、大地が目覚めて草などが地面から出てくる2月を意味する言葉です。

また、干支における「卯」は東の方角で、四季では春にあたり、一日で言えば朝の5時~7時で、一日が動き出す時間です。このような生命力と将来性に満ちた「卯」の年の動物であるウサギは、繁殖力が強く、傷を癒やす、無尽蔵の生気を持つ生き物とされています。

世界は3年も続いたパンデミックにより停滞に陥っています。ですが2023年は癸卯年が意味するとおり、希望の芽吹く春が訪れるはずです。世界中の人々にとって、素敵な年になることを願ってやみません。

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