日本語

中国と中日関係のいまを知るための対話(後編)~党大会後の中国と世界&中国と日本

CRIPublished: 2022-11-30 21:33:38
Share
Share this with Close
Messenger Pinterest LinkedIn

まず、ここで米電気自動車(EV)大手のテスラ(Tesla)社の例を挙げたいです。テスラは、中米貿易戦が一番熾烈な時に、上海にギガファクトリーを立ち上げました。同社の発表によりますと、2021年にテスラの中国での収益は対前年比107%の138.44億ドルとなり、中国市場が全世界の約26%を占めるようになっています。そして、上海ギガファクトリーの生産台数は全社の5割以上を占めています。

一方、日本企業の中国での投資収益率は15%に上り、世界平均の8%よりはるかに高いものの、日本からの投資は最近、中国であまり伸びていません。財政・金融協力も停滞傾向にあり、第三国市場での提携も足どりが重くなっています。全般的には、中日間の投資・貿易は軟調から抜け出していません。

次に、日本以外の外国と中国との貿易・投資についてです。「デカップリング」を声高に唱えている米国は、対中貿易と対中投資のいずれも上昇しています。2022年1~10月に中日貿易は昨年同期比1.6%減の3000億ドルに止まっているの対し、中米貿易は5.7%増の6398.3億ドルになっています。なかでも韓国は、今年1~10月の対中貿易が4.8%増の3063.5億ドルで、同時期の中日貿易より63.5億ドル上回っています。ちなみに、韓国のGDPは日本の3分の1に過ぎません。

一方、明るい材料もあります。それは今年年初に発効したRCEPです。中国と日本が結んだ初めてのFTAで、今後の中日経済・貿易関係の発展にプラスの効果が期待されています。

総じて言えば、私は短期的には、中日の経済・貿易関係は課題の方が機会よりも多く、楽観視できない状況にあると思っています。しかし、長期的に見ますと、中国経済は質の高い発展を遂げている最中であり、そうした中国の経済成長は両国の経済・貿易協力の根本的な原動力です。中国経済の困難は一時的なもので、高い強じん性、ポテンシャル、可能性を備えた中国経済の、好転に向かうファンダメンタルズは変わってはいません。国内外の双循環によって質の高い発展を成し遂げることが可能であり、中日の経済・貿易協力が引き続き各種困難を突破し、ウィンウィンの道に沿って前進していけると私は信じています。日本の企業に対して、ぜひチャンスをつかんでほしいと言いたいです。

◆清華大学国際関係学部・劉江永教授

中国の発展には世界からの支援がある

グローバル新安全保障観の実践で国際社会への貢献が期待される

党大会報告の中の、貧困脱却に向けた中国の取り組みと収めた成果について読んでいて、ふと、ある日本の友人のことを思い出しました。私が1980年代半ばに日本留学した時の大家さんとそのご友人です。

ある時、私が広西チワン族自治区に招かれて講義しに行った時に、地元にはまだ基礎的インフラも整備されていないヤオ族の村落があることを知り、講演料を寄付したことがお二人の耳に伝わりました。その後、北京観光に来たお二人からは、「ヤオ族の村落に送ってほしい」と思わぬことに金品が渡されました。中には、鉛筆工場勤務だった加藤さんが「村の子どもたちへのプレゼント」として用意された500本の鉛筆も含まれていました。これらの義援金が村に振り込まれた後に、5キロのセメント道路が整備されました。

これはほんの一例に過ぎず、中国が発展し、貧困脱却に向けて取り組む過程においては、心ある諸外国の民間人の方々からも多くの関心と支援を得てきたことを忘れてはならないと思います。

劉江永教授と友人の伊東教夫さん

さて、2022年は日中国交正常化50周年です。中日関係の研究者として、この節目となる年には、両国関係の原点を確認し、直面している試練を直視し、今後50年の中日関係が取るべき方向を考える必要があります。

まず、両国関係にある「確実性」というと、隣国という地理的位置にあること、平和と発展が共通の利益であること、両国関係の原点が変わっていないこと、世界が依然として「2種類の社会制度が併存し、多様なモデルが競争しながら協力する」時代にあることが挙げられます。

対して、「不確実性」として挙げられることは、パワーバランスが変わり続けていることや、中日間が今後も平和を維持できるかどうか、中国がいつ祖国を統一できるか、また、領土問題や海洋の線引き問題を適切に処理できるかどうかなどです。

第20回党大会報告では「世界の平和と発展を促進し、人類運命共同体の構築を推進する」「中国はグローバル発展イニシアチブとグローバル安全保障イニシアチブを打ち立て、国際社会と共に実行に努めていきたい」と重ねて表明しています。「グローバル安全保障イニシアチブ」の第1条は、「共同、総合、協力、持続可能という新しいグローバル安全保障観の堅持」です。この原則は、中日間の安全保障関係においても例外ではありません。

将来の50年に向け、中日両国はグローバル新安全保障観を、両国間の最も厄介な問題や懸案課題に具体的に落とし込み、国際社会に貢献するよう務める必要があると私は思っています。

◆上海国際問題研究院・蔡亮研究員

「政凍経冷」に陥った中日関係

しかし経済協力のポテンシャルは依然として高い

現時点の中日関係は「政凍経冷」の一言で総括しても過言ではないと思います。

首页上一页123全文 3 下一页

Share this story on

Messenger Pinterest LinkedIn