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世界最高標高の自動気象観測所設置~中国のチョモランマ科学調査にフォーカス

CRIPublished: 2022-05-10 16:24:05
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■チョモランマの「健康診断」

――中国では、チョモランマの大規模な科学調査は今回が初めてではないのですか?

実は、中国によるチョモランマの科学調査は1950年代に始まりました。しかし、当時は経済力や技術力の面での制約があり、調査は小規模なものにとどまりました。また、山頂の観測といえば標高の測量が主で、中腹を流れる氷河の測量はめったに行われていませんでした。その後、1970年代になってから、中国は初めてチョモランマの大規模かつ全面的な科学調査を行いました。そして、2017年から第2回の大規模調査をスタート。今年4月28日に始まった一連の調査も、2017年にスタートしたミッションの一部です。

大気の総合調査に用いられるエアロスタット「極目一号」三型

――どれくらいの人数で、どんな調査をしているのですか?

西風とモンスーンの相互作用、アジアの給水塔(青蔵高原及び周辺の高山地帯は地球の第三極、アジアの10数本の大河の水源地で、「アジアの給水塔」とも呼ばれる)の変化、生態系と生物多様性、人類の活動がもたらす影響、地球力学調査など5つのテーマをめぐり、16の科学調査チームが結成され、計270人余りが参加しています。

具体的には、チョモランマの北麓にある絨布(ロンブク)氷河の厚さ、標高に応じた変化、大気成分のデータの収集を通して、青蔵高原の氷河・水資源の変化をシミュレートし、予測モデルの構築をめざしています。また、温室効果ガス濃度の変化および生態系のカーボンシンク(炭素吸収源)の機能、人類の極限環境への適応に関するデータも収集します。さらに、山頂の氷・雪の厚さの測量のほか、表層の雪のサンプルを採取し、その成分分析も予定されています。このミッションはいわば、現在の技術を最大限に駆使した、チョモランマの「健康診断」です。

ロンブク氷河へ徒歩で向かう「氷河と汚染物調査チーム」

――2017年のミッション開始から、これまでの調査で分かったことは?

2017年に行った調査の成果は、去年9月に発表されました。主な調査内容は、青蔵高原の最新の隆起、気候の温暖化と湿潤化が「アジアの給水塔」にもたらした影響、青蔵高原に緑が増えたことに潜むリスクなどです。成果発表によりますと、青蔵高原の生態系は改善していますが、それと同時に潜在的なリスクも増えているようです。また、地球温暖化の影響で、「アジアの給水塔」の均衡が崩れ、自然災害の頻発も懸念されています。

4月30日ベースキャンプでバルーンを飛ばす調査チーム

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