日本語

2022年の中国経済見通し~対外経済貿易大学・西村友作教授に聞く

CRIPublished: 2022-03-22 22:47:00
Share
Share this with Close
Messenger Pinterest LinkedIn

北京在住20年になる経済学者、西村友作さん(対外経済貿易大学教授)にコロナ後の世界経済における中国経済の位置づけ、中日両国の相互補完関係の行方、そして、AI技術などに代表された中国の「新経済」の方向性などをめぐりお話を伺いました。

◆中国と日本、経済面の相互補完関係は続く

――コロナ禍での世界経済の持続可能な発展に向け、中国経済の位置づけをどうご覧になりますか。

中国は、世界の工場、世界の市場として、グローバル社会と緊密につながっており、世界各国の中国経済への依存度は高まっています。今後、中国経済が安定して発展し続けていくことこそが、世界経済にとってもとても重要だと思います。

第13期全国人民代表大会第5回会議開幕の様子

――今年の政府活動報告では、李克強総理は「対外開放」と外資重視の姿勢を強調していました。中国経済と日本経済の相互補完性は今後も存在し続けるものとみていますか。

私個人的には、日中両国の相互補完関係は今後も続いていくとみています。しかし、その関係性は時代の変化に伴い大きく変わっていきます。以前は、日本企業が中国国内の安い労働力を使って製造し、そしてその製品を世界へと輸出する、いわゆる「世界の工場」モデルが主流でした。それが、国民の所得向上に伴い中間層が厚くなってきたことで、「世界の市場」へと徐々に変化しつつあります。中国国内の消費を目的とした投資は、今後も増えていくのではないかとみています。

また、デジタル分野においては、中国はデジタル先進国と言えるほど成長しています。一方、日本社会におけるデジタル実装は遅れており、昨年発足したデジタル庁などが、社会的なデジタルトランスフォーメーションを推し進めようとしている段階にあります。このような分野においては、日本が中国から学ぶことは多くありますので、両国企業の連携が期待されていると思います。

◆中国から発信を「日本は未来を選択していく上での一助に」

――西村さんは2019年、『キャッシュレス国家「中国新経済」の光と影』に続いて、この2月に『数字中国(デジタル・チャイナ)―コロナ後の「新経済」』(中公新書・ラクレ)を出版しました。どのような気持ちでこの本を書き上げ、日本の読者に一番伝えたいメッセージとは?

中国に住むと、新しいことがどんどん起こっています。中国で広がるアフターコロナの経済・社会を理解することは、デジタル化が進む日本の将来を考えるうえでも重要だと思います。しかし残念なことに、新型コロナ禍で両国民の往来が制限され、日本人が実際に中国に足を運び、自ら体験することが叶わない状態が続いています。

この本を通じて、現在の中国のデジタル社会に対する理解を深めて、これからの日本はどのような未来を選択していくべきかを考える一助となれば幸いです。

――この2冊の著書はいずれも「ニューエコノミー」に着眼しています。「ニューエコノミー」という視点から、中国社会がこれまでの3年間の動向と今後向かっていく方向性について、どう実感していますか。

123全文 3 下一页

Share this story on

Messenger Pinterest LinkedIn