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中日共通国語教材・魯迅「故郷」発表100年中日の学者らが交流会

CRIPublished: 2021-06-22 13:10:00
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『故郷』の発表から100年が経つ今年は、おりしも中国共産党の創立から100周年となる年でもあります。『共産党宣言』の翻訳史も研究してきた復旦大学副教授の鄒波さんは、「社会、権利など今の中国で普通に使っている概念の数々は、実は百年前の翻訳や文学創作によって、中国で確立されたもの。日本と中国は、同じ漢字圏だから作り出せた現象だと思う。言い換えれば、百年前の翻訳作業や魯迅先生たちの文学創作は決して百年も昔の歴史ではなく、今日も大きな影響力を持ち続けている存在だと実感している」と指摘しています。さらに、鄒波副教授は、百年後のいま、『故郷』や魯迅文学を読み直したり、議論したりする際に、「世界文学」の視点が必要だと強調しました。

鄒さんのこうした論点を裏付けるように、田中実さんはインタビューに対し、魯迅文学と村上春樹文学との間に強い関わりを見出せると示しました。「たまたま二人の研究を同時にしていて、魯迅文学と村上文学は、根源的なところでつながっていると気づいた。そのつながりは、決して物語内容上のものではなく、両者のどちらにも“了解不能・言語以前”の領域を抱え込んでいることに表れている」と指摘したうえで、「リアリズムをベースにしながらもリアリズムを超える〈近代小説の神髄〉と呼ぶにふさわしい」と評価しました。

魯迅が百年前に発表した『故郷』は、今日に至っても中国と日本の文学交流を深める存在であり続けています。

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