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中日の学者・専門家が語る「中国式現代化」 〜桂林銀行の新たな取り組みを例に〜

CRIPublished: 2024-08-06 20:37:21
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出稼ぎ先で、地元の県政府が棚田の観光開発を本格化するという話を聞きつけた潘さんは、帰郷して棚田の景観の改善に取り組みました。棚田を取り囲む山々は、長年、地元の人々が薪をとるために伐採を続けた結果、「はげ山」になっていましたが、潘さんが周辺の周囲の人たちに呼びかけて植林を行いました。村は美しい観光スポットとなり、現在では200軒以上の民宿が建てられていますが、これらの民宿 1 棟当たりの建設費は 400~500 万元、日本円で1億円近い金額で、外地からの投資も多いそうです。

張小勁教授と潘保玉さん

観光客が景観区に入る時の入場料収入の10%は、周囲の村に還元される仕組みになっています。2019年、潘さんの村では一世帯あたりの分配金が200万円を超えたそうです。民宿の建設費など、さまざまな観光投資で大きな資金が投下されると共に、観光客が落としていく観光収入によって、少し前までは非常に貧しかった村に、大きなお金の流れが生まれています。

■農村部の人材活用と現地の工夫

――ここにも大きなキャッシュフローが生まれていることが、キンカンの村と似ていますね。ところで、日本の地方銀行とは異なる桂林銀行の特徴とは?

川嶋 私は、桂林銀行の「服務点」の展開の仕方に感心しました。「服務点」は共産党書記、村長、医者など、村の有力者に運営を委託する形をとっています。有力者の自宅の一部を改装し、店舗として使っています。

桂林銀行の服務点

村の有力者をはじめとする地元の人材の活用は、農村部で店舗網を急拡大できた要因のひとつだと思います。地方の農村では、銀行で取引した経験がない人も多く、銀行が融資をしようと思っても、その判断材料になる個人の信用情報が極めて少ない。桂林銀行には、村単位で与信枠を決め、その枠内で個人に融資をする「整村授信」というスキームがありますが、最終的に個人に融資をする際には信用評価が必要となります。そこで、服務点の店長が持つ地元の人脈や情報が重要な判断材料となるのです。

村落の「服務点」に設置されたタブレット端末

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