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『窓ぎわのトットちゃん』 が中国で1700万部売れた理由(前編)

CRIPublished: 2024-06-25 11:25:17
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猿渡さんによると、1980年代の中国で『窓ぎわのトットちゃん』の翻訳本は少なくとも4種類あったとのこと。その後、1992年に中国が「文学的及び美術的著作物の保護に関するベヌル条約」に加入したことで、これらは市場から姿を消しました。しかし、当時の読書体験は多くの人の心に小さなタネを蒔き、「トットちゃん」は中国人読者の記憶に残り続けました。

「トットちゃん」と中国教育ブームに対する問題意識

1980年代、中国では教育ブームが始まりました。そのきっかけなったのが1977年の大学入試制度復活です。大学に進学さえできれば人生の成功者になれるという見方が広まる一方、実際に進学できるのはごく少数で、当時は「千軍万馬が丸木橋を渡る」と揶揄(やゆ)されました。つまり、ほとんどの人は落ちこぼれるということです。その後、2000年代になると大学進学率は急上昇し、こうした状況はかなり改善されましたが、受験のための詰め込み教育は今もなお続いています。

猿渡さんは、『窓ぎわのトットちゃん』の中国での絶大な人気の理由は、教育のあり方について悩んでいた子ども、親、教師の三者から共感を得たことにあると指摘しています。

5月30日 『続 窓際のトットちゃん』の中国語版出版イベントに出席した小学生たち

そして、2024年5月30日、『続 窓際のトットちゃん』の中国語版出版イベントが開催され、北京に来た黒柳徹子さんに会うために、北京、上海、深セン、天津など各地からファンが集まりました。後編ではその中から3人の話をご紹介します。

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