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なぜ今中国で「いけばな」なのか~花展での取材(後編)

CRIPublished: 2024-04-17 16:06:29
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30数人の生徒のうち、一番の古株で「長老」と呼ばれているのは稽古歴12年目の李婧さん(40歳)。花展の開幕の日、李さんは念入りに選んだ明代の漢服を着て、受け付けを担当していました。本職は脚本家で、大のACG(アニメ、コミック、ゲーム)ファン。とくに、『少年ジャンプ』の熱血漫画が大好きで、「いつも二次元の世界にいる」と言われるそうです。

12年前に体験レッスンを受けたときの印象は、「堀江先生はなんと素敵な人なのか。花はなんと美しいのか。この教室はなんと良い雰囲気なのか」というものでした。それが今日まで稽古を続けてきた理由だと振り返ります。「とにかく先生の人柄に惹かれました。心のマッサージを受けているようです」という言葉はとても印象的でした。

李さんは現在、池坊の「正教授三級」の免状を取得しています。今回の花展で李さんは「立花新風体」という1999年に発表されたスタイルで作品を仕上げました。池坊には明治時代に定められた「立花正風体」というスタイルがあります。花展では、この異なるスタイルの作品を隣合わせて見せることで、池坊の時代による変化を表していました。

「革新というのも一夜にしてできるものではありません。まずは基礎をマスターすることが重要」と芸術を語り始めたかと思うと、「私にとって、いけばなはゲームであり、冒険なのです。ゲームでレベルアップを目指すように、いけばなの12年を過ごしてきました。今後も腰を据えて、最高の境地を目指して頑張ります」とACGファンらしい見解を語る李さん。そのアートの冒険は今後も続きます。

■【王松さん】稽古歴3年「自分の成長を実感」

稽古歴3年の王松さん

子ども向け美術教室の講師をしている王松さんは、北京の池坊華月学会で、三人しかいない男子生徒の一人。

洋の東西を問わず古典が好きという王さんは、稽古を始める前から、本でいけばなについて独学していました。

「画家のジョルジョ・モランディの展覧会に一緒に行った友だちから、池坊の体験レッスンのことを聞きました。とても自分に合っていたので、すぐに通うことを決めました」

稽古歴3年の王松さんですが、2022年秋の花展にも出品。「今振り返ると、よく出せたなと思う」と照れ笑いしがら、「それが分かるようになったのは自分が進歩し、目利きができるようになったからだ」と満足げな表情を見せました。

「東洋にせよ西洋にせよ、秩序を重んじることは、古典芸術における重要な共通点だと思います」

王松さんの作品 「桃の枝の扱いがとても難しかった」

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