【追悼特集】北京放送リスナー&『人民中国』愛読者の神宮寺敬さんをしのぶ(前篇)
神宮寺敬さん・綾子さん夫妻2020年2月撮影
春まだ浅い日曜日の午後、甲府から悲報が届きました。103歳の誕生日まであと12日という2月12日、長年にわたる北京放送のリスナーで、『人民中国』の読者でもある神宮寺敬さんが逝去されました。「もう一度だけ中国に行きたい、と父は言い続けていた」という長女・敬子さんの言葉に、ご本人の無念を感じずにはいられませんでした。
神宮寺さんは、戦争の悲惨さを目の当たりにしたことから、中国との平和・友好をライフワークとして取り組んできました。中国の友人や「子どもたち」と呼ぶ若い人たちの間で、神宮寺さん夫妻は「おじさん」「おばさん」と呼ばれ、親しまれていました。
悲報を受けた『人民中国』の王衆一総編集長は、「今年の創刊70周年を前に、かけがえのない人を失った」と悲しんでいました。おじさん一家と親しく付き合っていた北京放送の蘇克彬元副編集長、張富生元副台長は共に、「私心なく中日友好を願い、中国の発展を願っている真の友人だった」と神宮寺さんの死を悼みました。
天国へと旅立たれたおじさん、おばさんのご冥福をお祈りし、拙文をお二人への供養とさせていただきます。
◆中国研修生に自宅を開放
神宮寺家の下宿館1970年代初めに撮影