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東アジアの平和教育の最前線では~中日韓平和教材実践交流会の取材~(前篇)

CRIPublished: 2021-08-04 22:46:00
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盧さんは席上、学校の作文コンクールで優勝した教え子の作文の一部を紹介しました。こう綴られています。

「私たちは日本軍の暴行に憤りを覚えると同時に、次のような視点から考えることをしないでしょうか。それはつまり、日本軍兵士をそのような凄惨を極め、非人道的な行為に走らせた原因は何か。……一人一人が歴史の力を借りて、人格を磨き続け、ドイツの哲学者、思想家であるハンナ・アーレントがいう、誰もがしうる“凡庸な悪”から抜け出し、自分の行動を冷静に見つめる。それができてこそ、初めて真の意味での“歴史を鑑にし”、歴史の繰り返しから抜け出すことが可能ではないでしょうか」

交流会では、盧さんは一本のショートフィルムを流しました。2017年、世界の若手クリエイター向けのJCSIヤング・クリエーティブ賞“女性平和使者”部門の最高賞を射止めたショートフィルムで、タイトルは「金陵止戈人(The Peacemaker from Nanking)」。

ショートフィルム「金陵止戈人」駱翼雲監督

「監督はわが学校の卒業生の駱翼雲です」と盧さんは鼻が高い。

フィルムでは、夏休みを利用して、中東へボランティアに出かける中国人女子大生と祖母の会話が紹介され、第二次世界大戦の中、虐殺が始まった南京にとどまり、1万人以上の中国人女性を保護した米国人女性教師、ミニー・ヴォートリン(Minnie Vautrin)への敬意も語られています。

ミニー・ヴォートリン氏

盧さんによりますと、駱監督は受賞に際し、「このフィルムは、中国人が世界に向かって歴史を語り、平和への憧れを伝えるための小さな一歩に過ぎない。これからは、歴史を伝承しながらも、その痛みから一歩踏み出し、世界を舞台に、積極的な姿勢で国際問題にかかわっていく中国の若者が増え続けるだろう」と思いを打ち明けたそうです。

小中高の学校歴史教育で、平和の種を蒔き、「いのちの教育」を貫き通してきたからこそ、駱監督のような若者が南京から世界の舞台に出た、と盧さんは歴史教員としてのやりがいを感じたと話しました。

後編へ

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