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東アジアの平和教育の最前線では~中日韓平和教材実践交流会の取材~(前篇)

CRIPublished: 2021-08-04 22:46:00
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「ラムザイヤー問題」について、善元さんは、同氏は物議をかもした論文「太平洋戦争の性契約」だけでなく、日本の被差別部落や沖縄、在日コリアンを取り上げた論文は、「日本に対し偏見に基づく差別的な内容に満ちている」と指摘する一方で、日本政府による旭日中綬章の授与歴がある同氏の考え方が、「政府中枢まで異常な影響を受けることを危惧している」とも話しました。

善元さんはまた、戦争の歴史を語る時に、「立体的で、重層的に」絡む差別の問題も丁寧に分析し、「あらゆる差別を子どもたちと共に考え、差別を許さない、差別と闘う」という基本理念を持つ人権尊重、他者に考えを強要しない「多文化共生」の思想を教育で貫くよう訴えました。また、コロナ時代を切り抜ける途上にあって、「一人ひとりが利他主義者を目指ざし、多様性を認める」よう呼びかけ、「世界は同じ空気でつながっている。今こそ様々な知恵を出し、多様な教育を作り出すことができる」とし、東アジアの教員が結束し、教育内容で連携するよう訴えました。

善元さんの問題提起に対して中国の参加者からも呼応があり、南京師範大学附属中学(高校部)の歴史教員・盧元偉さんは自身の学校や教え子の日常行動に起きた実例を取り上げ、少数派との向き合い方を生徒と共に討論し、人間中心の「いのちの教育」こそ、平和教育の核心だと実践の手ごたえを話しました。

リモート方式で開催された第10回中日韓平和教材実践交流会

◆南京の教育現場:歴史の継承から世界を舞台にした活躍へ

「南京大虐殺は20世紀最大の嘘―これは日本の右翼の主張です。あなたはこれについてどう思いますか。そして、理由は?」

南京師範大学附属中学高校部で教鞭をとる盧元偉さんが、大虐殺の歴史を教える時に、生徒たちに投げかけた質問でした。一方的な教えこみよりも、生徒が一緒になって考える授業を盧さんは重視しています。

討論学習の結果、「この主張は正しくないと思う。何故ならば、生存者の証言、加害者の証言、そして、当時南京に滞在していた第三国の関係者の証言や記録により大虐殺を裏付けることができるからだ」という理路整然とした発表が聞けたと話しました。

発言中の南京師範大学附属中学(高校部)歴史教員・盧元偉さん

盧さんの学校では、歴史教育の選択科目には、「中日韓の注目される話題」、「国際関係:戦争と平和について考える」などが設けられています。その狙いは、「生徒の心に平和の種を蒔く」、「歴史を知る」ことから「理解する」、さらに「和解する」へと進めるにはどうすれば良いのかを、一緒に考えることだそうです。

南京師範大学附属中学で行われた日本、韓国の高校生との交流活動

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