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比較の視点から読み解く中国の民法典~JICA長期専門家・白出博之さんに聞く(上)

CRIPublished: 2021-03-16 12:21:00
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次に中国の法整備全体にとっての意義ですが、その位置づけを確認すると、2014年10月、中国共産党の第18期四中全会「憲法を核心とした法に基づく国家統治の全面的推進」決定において、その重点的な立法課題の一つとして民法典編纂が提起されたものでした。すなわち、中国において統一された民事基本法が制定・実施されることは、憲法を核心とした法に基づく国家のガバナンス、法治国家、法治社会の建設・実現に重要な基礎を提供するものといえます。

さらに中国における法整備という技術的な側面に注目していえば、今回、民法典という一般の法律とは質的に異なった、よりハイレベルな法規範に編纂する立法作業の手法が確立することは、体系化の立法作業、すなわち中国国内の各レベルに多数存在する法規範を体系的に整理・統一した立法をすることに極めて有用な手法になると思います。これは同時に法律、法規における重複や矛盾抵触等の問題を解決し、既に時代遅れになった規定を整理する作用も期待できます。

つづく

【プロフィール】

白出博之(しらでひろゆき)さん

日本の政府開発援助事業(ODA)である法整備支援プロジェクト実施のために、日本国際協力機構(JICA)の長期専門家として、2011年1月から中国北京に派遣。その後、約11年にわたって「橋渡し・調整役」として中日法律交流事業に関わる。

その仕事ぶりが評価され、2019年に世界31カ国の外国専門家100名の中の一人として、中国政府友誼賞を受賞。

◆ ◆

この番組をお聞きになってのご意見やご感想をぜひお聞かせください。メールアドレスはnihao2180@cri.com.cn、お手紙は【郵便番号100040中国北京市石景山路甲16号中国国際放送局日本語部】もしくは【〒152-8691東京都目黒郵便局私書箱78号中国国際放送局東京支局】までにお願いいたします。皆さんからのメールやお便りをお待ちしております。

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