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<杭州アジア大会>注目の陸上選手 聡明な100mハードラー田中佑美

CRIPublished: 2023-09-14 15:33:46
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第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)陸上は29日に幕が開く。この記事では筆者が注目する選手をご紹介。最後は100mH(ハードル)の田中佑美(富士通)。高校時代から世界の舞台を踏み、大学、社会人でも記録を伸ばし続け、今年は世界陸上への出場も果たした。パリ五輪を見据えた言葉は簡潔明晰で聡明さがあふていて、それが彼女のアスリートとしての魅力をより際立たせている。田中から繰り出される言葉に圧倒されながら、自分の競技への思いを聞かせてもらった。

短距離はスタートの緊張感、ドキドキを味わって

田中が取り組む100mHは100メートルを走りながら10台のハードルを飛び越える種目。競技の魅力を聞いてみた。

「まず短距離走はスタート前の緊張感が何者にも代え難いものだと思っています。選手もその一瞬にフォーカスしているので、観客の方にもドキドキ感を味わってもらえるのが魅力です。100mHは想像よりも迫力がある競技なので、できるだけ近くで選手のスピード、ハードルを越えていく加速感を楽しんでほしいです」

ハードルを飛び越える田中佑美

中国選手との思い出

田中と中国選手の縁は高校時代ベトナムで開催された2016年アジアジュニア選手権大会にさかのぼる。この試合で田中はフライングで失格に。トラック種目は1回フライングすると一発退場になる。しかし、「やっぱり走ってもいい」と言われ、見事1位になり、国旗を掲げて競技場を練り歩いたが、やはり失格になってしまった。その結果、繰り上がり優勝したのが中国の虞佳如で、二人はライバル関係に。その後、高校3年の2017年、日中韓3カ国交流大会でリベンジを果たすべく虞と戦ったところ、勝ったのは田中。珍場面を紹介しながら中国のライバルとの思い出を話してくれた。

アジアの選手としてみんなで強くなっていきたい

最近も中国の選手のことは意識しているという。

「アジア選手権や成都ユニバで五輪の派遣標準記録を切る記録を出した選手がいることを認識しています。今回のアジア大会は中国人選手にとっては地元開催ということで気合が入っているだろうと思います。でも、世界に出るとアジアとかヨーロッパといった、国ではなく地域としてのファミリー感を感じるので、アジアの選手としてみんなで強くなっていければいいなと思います」

アジア陸上競技の繁栄を願う言葉にも、田中の競技愛と人柄が表れている。

社会人では違ったアプローチで陸上を、自分の強さは

田中は社会人になってから練習拠点を筑波大学へ移し、谷川聡コーチから競技について体系的な指導を受けている。どこか感覚で陸上を捉えていた田中とは違い、筑波には論文などを元に競技を理論的に考える選手も多い。自分の至らなさを感じることもあったが記録は毎年更新している。自分の強さはどこなのか聞いてみた。

「アスリートの強さは人それぞれだと思います。論文は読んでいませんが、私の強さはコーチや周りのアドバイスを自分の中でうまくコーディネーションできることで、社会人になってから毎年記録が伸びているのは谷川コーチのおかげだと思います。あとは、ネガティブな感情に引きずり込まれずに練習を継続できることです」

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