日本語

【日本語放送80周年~リスナーと共に歩む】(下)受け継がれていく思い

CRIPublished: 2021-12-09 15:36:00
Share
Share this with Close
Messenger Pinterest LinkedIn

いつの時代でも、国際放送は国際放送にしか果たせない役割がある。細谷さんの話からは、そのような訴えが聞こえてきそうです。

愛知県・杁本直正さん~無線愛好家の北京放送切り紙展受信から発信へ

受信者から発信者へと変わる。これは多くの聴取者が積極的に実践していることでもあります。

北京放送では約20年前から、毎年春先になりますと、部員全員で参加する寄せ書きの作成が始まります。寄せ書きされた色紙は、愛知県岩倉市のアマチュア無線愛好家・杁本直正さん(61歳)宛てに送られ、夏頃に開催される切り紙展で展示されています。

展示会場で中国からの切り紙をみせる杁本さん

杁本さんは岩倉市新柳町の市嘱託職員、第一級アマチュア無線技士。小学生の頃に、母親が短波ラジオの受信機を買ってくれたことがきっかけで、15歳でアマチュア無線に目覚め、中学3年の1975年に自宅で無線局を開局。これまでの45年間で、中国の無線家を含め、世界中の愛好家たちと延べ約4万8千局とやり取りしました。

そんな杁本さんは、1984年に中国国際放送局の電波に初めて出会います。当時は、手術を受け、定期的な通院をしていました。何気なくラジオをつけて偶然に聞こえたのが「こちらは北京放送局です」でした。以来、受信報告書とべリカードの交流を続け、ベリカードとともに切り紙、ペナント、手紙、雑誌なども届き、中でも切り紙の美しさに杁本さんは「心が惹かれた」と言います。

「一人占めするはもったいなく、もっと多くの方々に切り紙の美しさ、細かさを感じてもらい、切り紙を通して中国に関心を持ってもらえれば、こんなに嬉しいことはありません」

この思いを胸に、中日国交正常化25周年にあたる1997年、杁本さんは地元の岩倉図書館で初の中国国際放送局切り紙展を開催しました。その後、2020年までに愛知県各地と隣接の岐阜県各務原(かかみがはらkakamigahara)などで計16回切り紙展を開催してきました。展覧のテーマは国交正常化35年記念や、北京五輪開催記念など、その時々の中日関係や世相が映し出されています。来場者は地元の方たちだけではなく、遠くから駆けつけてくれる北京放送のリスナー仲間もいます。地元の新聞やテレビ局も取材に訪れ、杁本さんにとって切り紙展の時期は最も忙しく、かつ充実した時期でもあります。

歴代切り紙展の芳名録

過去に中国を3回訪問してきた杁本さんは、毎回、放送局を訪れてスタッフたちと対面交流をしてきました。お土産に持参した母親手作りの「タオル製のお手拭き」は局内で好評でした。中でも、3回目は社会人になる直前の息子を連れての訪問で、親子で「CRIインタビュー」に出演もしました。

杁本さんはコロナ禍の2020年にも、16回目の「切り紙展」を実施しましたが、1か月の開催期間は10日で中止を余儀なくされました。2021年となると、開催を見合わせざるをえませんでした。一方、コロナ禍で国境を跨いだ対面交流はできないものの、杁本さんはメールで放送局と連絡を保っています。元気な孫が生まれたという嬉しい報告もあれば、新年特番の「CRI紅白歌比べ」を一緒に聴いて投票した最愛の母が他界したという悲しい知らせもありました。

首页上一页123全文 3 下一页

Share this story on

Messenger Pinterest LinkedIn