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コロナと戦う中国をありのままに伝えたい~ドキュメンタリー制作者竹内亮さんに聞く

CRIPublished: 2020-05-12 21:15:00
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「当時、中国ではマスクが買えるようになったと言っても、まだ値段が高かった。そんな中からドンと5万枚も寄付してくれたので、とても嬉しかった」と竹内さんは振り返ります。

当初は中国在住の日本人を中心にして活動を始めていましたが、いつの間にか趣旨に賛同する中国人も増えていきました。結果的に延べ約800人から義援金が集まり、そのお金を使って7万枚のマスクを調達し、東京、大阪、北海道、埼玉、愛知、千葉、神奈川など日本の自治体に贈ることができました。

「パンダの恩返し」で日本へ発送したマスク

記者が取材した5月7日は、最後に発送した1万枚が神奈川県に届きました。「新型コロナで仕事もままならず経済事情が大変な中、みんなからたくさんの義援金をいただき、お陰で無事やり遂げることができた」と電話の向こうで、ほっとした竹内さんの声が聞こえました。

寄付してくれた中国人のメッセージにも感動の文言がありました。

「日本へのお礼です」「日本は第二の故郷で、思い入れが深い」などなど…

南京市の一つの区だけではなく、南京市と姉妹都市を結ぶ名古屋市との間でもマスクの相互支援があり、ほかにもこのような支援の話がたくさんありました。両国の間で様々な形で助け合が行われていたことについて、「ここ3、4年、地方政府レベルの交流が活発になり、両国関係の改善がこの身で体験でき、個人同士のつながりもずいぶん増えている。こうした一連の流れの中で自然に起きた動きのように思う」と現場で実感した思いを明かしました。

◆「感染者ゼロの街」、最終回は武漢編にしたい

竹内さんは南京に定住する前は、日本で映像制作の仕事をしていました。「テレビ番組で中国関連の報道はネガティブなほど、視聴率が取れる」ということに疑問を感じ、ありのままの中国を伝えたいと考え、7年前に妻の実家・南京に一家で移住することを決意しました。

取材活動中の竹内亮さん

「2010年に中国のGDPは日本を越した。日本で中国のネガティブな報道が増えたのはそれ以降のことだと思う。報道の姿勢もそうだが、それ以上にそうした内容を求める視聴者の姿勢に問題があると感じた」と日本の現状を憂えながら躊躇なく切り込みました。

大きな反響を呼んだ「新規感染者ゼロの街」に対して、日本から届く感想の9割以上は好意的な評価でしたが、中には「セットで撮影しただろう」という書き込みも目についたと言います。しかし、インタビューでは吹き出しそうな口調でこれを紹介した竹内さんの姿勢からは、逆にそのタフさが伝わったようにも思いました。

今は日常の撮影計画も行いながらも、近いうちにぜひ撮影しに行きたい都市があると言います。

「『新規感染者ゼロの街』の最終回は武漢編にしたいと思っている。いまだに、中国政府の発表を信じずに、武漢で毎日たくさんの人が死んでいると思う人が世界中にいるようだが、武漢に行って、実際に見てきたことを伝えたい」と意気込みを語ってくれました。

武漢は竹内さんが、以前にロケで4~5回も訪問したことがある街です。人気ドキュメンタリーシリーズ「私がここに住む理由」の中で、定年退職後に福岡から武漢に来て、市内の飲食街でカレー屋を経営する島田孝治さんに密着取材しました。

2017年配信の「私がここに住む理由~島田さんの頂尾カレー」のスクリーンキャプチャ

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