離れていても隣人ウイルス撲滅には協力が必要ーーブランドコンサルタント・福田淳さんに聞く
聞き手:王小燕
中国での新型コロナウイルス感染拡大の情報が日本に伝わった直後に支援活動を始め、現在も続けている方々がいます。その中の一人、ブランドコンサルタントで、芸能事務所を経営している福田淳さん(54歳、株式会社スピーディ代表取締役社長)に、WeChatの通話機能を通してお話を伺いました。
ーー福田さんは、中国での感染拡大の報を受けて、真っ先にSNSメディアを活用し、多くの芸能人や企業を巻き込んだ募金活動や支援物資を送る活動を始めたと聞きました。どのような思いだったのでしょうか。
以前からNPOに参加していて、アフリカ支援や環境問題に関心があり、様々な支援活動に参加してきました。今回も事態が発生した時から、何か支援の方法はないかと考えていました。
マスクが日本で買い占められる以前に、まず3000枚集めて送ろうと決めました。中国の現地スタッフが週末の丸2日間を使って情報収集して連絡先を見つけ、北京の紅十字会経由で送ることができたのが最初です。
その時に、このままでは一回で終わってしまうので、芸能事務所のタレントに呼び掛けたところ、みんな喜んでノンギャラでCMに出てくれました。それが国内のソーシャルメディアや記事に取り上げられ、大変良い反応がありました。
ーーどのような手ごたえがありましたか。
ソーシャルメディアでいうと、2万回以上リツイートされて、ものすごい反響でした。たまたま知り合いの知り合いに、消毒液の販売をしている会社があって、そこの社長さんがダンボール箱で1200個を送ってくれたり、いろんな人たちがお金の寄付やマスク、消毒液の寄贈をしてくれました。
ーーところで、中国での感染拡大に伴い、日本国内では中国を見る目に変化が生じたと聞きます。
日本には中国からいっぱいお客さんが来るわけですけど、あまり状況が分からない人は中国人観光客を怖がって、一部の田舎では「温泉に来ないでくれ」と、そういうニュースが出始めました。新しいウイルスを正確に理解して、ある程度予防しておけば大丈夫なんだということを今、啓蒙して回っています。
できることは限られますけど、中国と日本の関係は近いので、早くこのウイルスが撲滅されるように、日中が最大限の協力をしていくべきだと思います。
ーーウイルスとの戦いの見通しをどう見ていますか。
2003年のSARSの時は終息までに約9カ月かかったそうで、今回の場合はもっと短いだろうと思っています。なぜなら、中国の医師がAIを使った最新の医療で抗体を見つけることができると言っていたからです。私自身も最先端医療に投資するなど、興味を持っています。これから中国以外でも、新しいウイルスは出てくると思いますが、人類の叡智を振り絞って、一刻も早く治療方法を確立することができるものと信じています。
ーー最後に、武漢でウイルスと戦っている方々へのメッセージをお聞かせください。
武漢のお医者さんの記事を日本でよく見ますが、みんな勇気がありますし、自分のことだけじゃなく、人のことを考えて、愛して、なんとかしようという力は素晴らしいと思います。我々は武漢から離れていますが、本当に近い隣人です。これからもできることをやりますので、もう少し踏ん張って頑張ってください。