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中国の伝統芸能に魅了された日本人~昆劇役者・山田晃三さんに聞く(下)

CRIPublished: 2019-10-23 01:40:00
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「芸術手冊」2019年号に掲載された山田晃三さんの寄稿

「役者の大変さは自分が稽古を始めてから、初めて身を以て体験できます。一つの演目、一つのしぐさを演じ切るために、どれだけの練習が必要なのか。観劇に行くと、足が少しぐらついたのを一生懸命にこらえて、ようやく踏みとどまることができた役者を目にしますが、それを見る度に胸に熱いものがこみ上げてきます。どれだけの練習をすれば、そこまでできるようになるかと思わず想像してしまいます。

自分の中国での暮らしは、昆劇の稽古を切り離しては語れません。色々思う通りにいかないこともありますが、そういう時は決まって稽古をしてやり過ごします。『夜奔』を最初から終わりまで練習でもすれば、どんなに不快な思いも吹っ飛んでしまいます。何か大変なことにぶつかった時も、私の脳裏におのずと蘇ってくるのは、林冲のこの台詞です。

“丈夫有涙不軽弾只因未到傷心処”(男は涙を軽々しくはこぼさない。一生懸命にこらえるのは、涙をこぼして悲しむに値しないことだと思うからだ)」

昆劇との長い付き合いの中で養われた伝統芸能への鋭い感性と深い造詣は、今後も山田さんの人生で生かされ続けていきそうです。

【キーワード】

立ち方:丁字步、弓箭步

基本動作:拉山膀、起雲手、提甲式、順風旗、栽锤式

足の動作:正腿、十字腿、旁腿、踢腿、盖腿、后腿

腿功:飛脚、璇子、掃堂腿、跨虎、圆場步

把子功:小快槍、大快槍、单刀雑拌、鎖喉

【プロフィール】

山田晃三(やまだこうぞう)さん

1969年神戸市出身。京都外国語大学卒業。

北京第二外国語大学での交換留学を経て、1993年から北京師範大学大学院に進学し、中日経済関係を専攻する。留学のかたわら、1991年から世界無形文化遺産である崑劇の稽古に取り組み、北方崑曲劇院の俳優戴祥麒氏、張毓文氏(国家級無形文化遺産伝承者、国家一級俳優)に師事、「夜奔」「問探」「刺虎」「借扇」「擋馬」「三岔口」「下山」「挑滑車」など多数の崑劇及び京劇を習得。

2009年~2019年、北京大学で日本語を教える。2016年2月、自らの中国論の集大成となる「北京彷徨1989-2015」(みずのわ出版)を出版。

この番組をお聞きになってのご意見やご感想をぜひお聞かせください。メールアドレスはnihao2180@cri.com.cn、お手紙は【郵便番号100040中国北京市石景山路甲16号中国国際放送局日本語部】もしくは【〒152-8691東京都目黒郵便局私書箱78号中国国際放送局東京支局】までにお願いいたします。皆さんからのメールやお便りをお待ちしております。

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