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【観察眼】北大西洋の渦で泳ぐ余裕があるならば 太平洋の汚染水処理を考えるべき

CRIPublished: 2023-07-17 09:27:45
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ここ数日、岸田首相の機嫌はよくないようだ。福島第一原発の放射能汚染水の海洋放出計画では国内外からの批判を浴び、東京のNATO連絡所の開設のために欧州でNATOサミットに参加したものの、フランスの反対で棚上げされた。Yahoo! JAPANの関連記事には「岸田首相はNATOにしっぽを振っている。まるで尹錫悦(ユンソンニョル)韓国大統領と寵愛を争っているようだ」と、揶揄のコメントも寄せられている。

日韓は長年にわたり不和が続いている。日本は韓国が日本を差し置いて東アジアにおけるNATOの柱となることを受け入れられない。11日、韓国政府はNATO首脳会議でNATOとの連携強化などを盛り込んだ協力文書「国別適合パートナーシップ計画(ITPP)」を締結した。そして、その翌日、日本政府もNATOとのITPPを発表し、安保連携拡大を宣言した。日韓は争うようにNATOにこびへつらっているが、これは自国のため、自国民のために、どんなメリットがあるというのだろうか。

NATOにとって、日韓はアジア太平洋地区へ拡張するためのドアマンや駒のひとつに過ぎない。特にNATOのリーダーを自認する米国にとって、同盟国とは利用価値があれば利用し、役に立たなければ切り捨てる相手に過ぎない。日本に米軍基地があり、米国が日本をコントロールしている限り、米国にとって日本はただの「非正常国家」でしかない。

今回米国が、日本・韓国・オーストラリア・ニュージーランドをいわゆる「NATOアジア太平洋パートナー(AP4)」に引き入れた目的は、NATOにおける米国の覇権を強化し、アジア太平洋地域におけるNATOの拡大を進め、中国を威圧するという戦略的野心を実現することにある。

しかし、NATOは決して一枚岩ではない。実際に、多くの問題で各加盟国の計算や思惑は異なっている。マクロン仏大統領は、東京でのNATO連絡所の開設に反対したが、その意図は明らかだ。米国の野心に加担し、地政学的な対立が激化に巻き込まれれば、欧州の戦略的自主は永遠に遠のくだろう。過去1年、米国の挑発によってウクライナとロシアの衝突はエスカレートし、欧州は大きな代価を払った。フランスを含む多くの欧州国家は、米国と中国との対立に巻き込まれるつもりはないのだ。

一方、アジア太平洋地区では、日韓など数少ない米国の「属国」を除けば、NATOの進出を歓迎する国は一つもない。世界に目を向けてみよう。アジア太平洋地区は現在、比較的安定した成長段階にあるが、集団政治や陣営対立に巻き込まれれば、地域の経済協力や地域の経済成長により多くの不確定要素がもたらされることは間違いない。また、アジア太平洋地区のほとんどの国は中国と緊密な経済関係を保っており、中米のどちらかの二者択一を拒んでいる。自国の建設と発展に専念することこそ、賢者の選択なのだ。

歴史を振り返ると、欧米人は過去300年の間、多くの戦争を繰り返してきた。欧州大陸は過去100年に2回の世界大戦を含む熱い戦争と冷戦を経験している。世界最大の軍事同盟であるNATOは、その発足の時から、旧ソ連との冷戦に利用されてきた。

現在、世界中の人々が戦争に反対している。アジア太平洋地区は、地理的にNATOから遠く離れており、しかも目下のところ、この地域の国々は得がたい安定と発展を享受している。ところが日本はNATO首脳会議に参加し、NATOの東京連絡所の開設を招請した。さらに、NATOに忠誠を誓うため、ウクライナへの対無人航空機探知システムなどの支援のため、NATOの信託基金に3000万ドル(約40億円)を拠出することを約束した。日本政府はこれまでに総額76億ドル、日本円で約1兆円に上るウクライナへの支援を行っている。日本政府が“大盤振る舞い”したこの大金を支払うのは、一体、誰なのだろうか。

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