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【観察眼】温暖化進む地球が鳴らすますます大きさを増す警鐘

CRIPublished: 2023-06-30 21:46:01
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29日の東京都心の気温は33.8度まで上がり、2日連続で今年一番を更新した。また、日本全国に900カ所以上ある観測地点の内、30度以上の真夏日を観測した地点は3日連続で300地点を超えている。一方、中国の北部でもここ数日連続して広い範囲で高温注意報が出されており、中でも北京の最高気温は22日から史上初となる3日連続の40度超を記録した。

中国や日本のみならず、北半球の多くの国では今年6月に入って極端な高温が続いている。欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」が発表した調査報告によれば、今年6月初めの世界の平均気温は、この期間としては同機関が記録を取り始めて以来の最高となり、5月の気温も例年同期の最高に近かったという。

同機関の責任者は、極端な高温がもたらす干ばつの影響で、今年の世界の作物生産量は減少するだろうと見ている。米農務省が発表した報告書「世界の農産物需給予測」では、2022年に植えられた冬小麦の収穫量は作付面積がやや増えたにもかかわらず、前年同期比8%減の見込みだと指摘されている。また、欧州でも、今年6月から8月にかけてスペイン、フランス、イタリアで気温が例年の平均水準をはるかに上回る確率が70%を超えており、これは欧州の農作物の栽培と収穫に明らかなリスクをもたらすと予想されている。

このほか、エネルギー供給や民衆の日常生活にも大きな支障が生じている。ポルトガル、ノルウェーなどの国ではダムの貯水地が干上がり、イタリアの水供給システムも逼迫し、総人口の40%が水不足に苦しんでいる。また、原子炉を冷やす冷却水が足りないことから、欧州の原子力発電所の発電量が減少することも予想されている。

今年の熱波の主な原因の一つとみられているのが、人間の活動に伴って持続的かつ大量に放出される温室効果ガスだ。シンガポールの南洋理工大学で気候変動を研究しているベンジャミン・ホートン氏は、「人類の活動によって大気中により多くの温室効果ガスが放出されて地球温暖化につながり、気候変動の危機が激化した。世界の温室効果ガスの排出量は2022年も増えつづけ、世界の平均気温は工業化前と比べて少なくとも1.1度上昇している」と指摘している。このまま進めば、「パリ協定」が設定した、世界の平均気温の上昇幅を1.5度以内に抑えるという目標値は、2026年から2042年までの間には超えてしまうことが予想される。

気候変動による挑戦に対応するため、国連の気候変動に関する政府間パネルは今年4月に報告書を出し、各国に、踏み込んだ、スピーディーな、持続的な炭素排出削減行動を呼びかけた。また、グテーレス事務総長も4月22日のアースデーに合わせ、国際社会に気候変動への対応加速を呼びかけ、各国政府に環境保護分野でのリーダーシップの発揮を求めた。

近年、ますます多くの国が温室効果ガスの排出を減らす措置を講じるのと同時に、気候変動対応のための立法を強化し、再生可能エネルギーの開発プロジェクトを展開し、環境技術への投資を拡大している。その中で、中国は排出削減を持続的に推進しながら、2020年には「2030年までにカーボンピークアウトを、2060年までにはカーボンニュートラルを実現する」という二つの国家目標を打ち出し、環境保護の強化や伝統産業のグリーンへのモデルチェンジの加速、新エネ・グリーン経済の推進などを通じてこの二つの目標達成を目指している。それにより、2022年までの10年間、中国のGDP当たりの二酸化炭素排出量は34.4%減少した。また、グリーンな「一帯一路」づくりと「南南協力」などの枠組みの下で、中国はその他の発展途上国の気候変動対策を支援してきた。

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