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【観察眼】感染症対策と社会・経済活動の継続、中国は力強く対応進める

CRIPublished: 2022-12-12 10:27:00
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新型コロナウイルスのパンデミックが依然として続く世界において、感染症対策と経済・社会活動の継続との両立は各国共通の難題となっている。そんな中で、中国政府が12月に入ってから打ち出した一連の対応が世界の注目を集めている。

中国で主に流行しているオミクロン変異株は毒性が著しく低下している一方で、感染力は高止まりしている。これを受けて中国政府は、感染対策を適正化するための「防疫新10カ条」を発表した。これには、リスクのあるエリアの合理的な確定、PCR検査体制や隔離方式の適正化、症状に応じたトリアージ制度の確立などが含まれている。

中国は膨大な人口を抱えている上に、高齢者や慢性病・基礎疾患を持つ患者が多く、千人当たりの医師数、ベッド数、ICUベッド数は欧米など先進国に比べて著しく不足している。しかも、その分布は不均衡である。こうした実情に鑑み、防疫新10カ条には、高齢者向けワクチン接種の強化や、ICU病棟と感染症対応病棟の建設加速など、ターゲットを絞った措置が盛り込まれている。

中国の感染症対策作業チームの責任者である、国家衛生健康委員会の梁万年氏は、「感染症の予防・抑制措置と戦略の調整はシステマチックなプロジェクトであり、各要素を総合的に考慮する必要がある」と指摘する。

梁氏は、すでに感染症対策が緩和されている国について、「パンデミック初期に繰り返された感染の波を経て、大勢が自然免疫力を身につけたことが背景にある」としたうえで、「ただし、そのために大量の死者を出した国もある」と指摘した。中国については、「ウイルスの変異と症状の変化を観察し続け、それに合わせた対策を調整してきた」と振り返り、こうしたプロセスこそが、感染症と向き合う中国の姿勢と考え方の具現化だとの見方を示した。

中国はコロナ禍においても、経済・社会活動を継続し、経済成長を実現することを揺るぎない目標としている。12月初めに開かれた中国共産党中央政治局会議は2023年の経済活動について、「着実な取り組みと社会全体の活力向上によって、幹部が果敢に先をゆき、地方が果敢に道を切り開き、企業が果敢に事業に取り組み、民衆が果敢に創造できるよう後押しする」という基調を定めた。これが社会で幅広く支持されており、「4つの果敢」はコロナ後の中国を代表する精神になるだろうとの見方もある。

12月初旬、この精神を体現するように、複数の地方政府が相次いで経済訪問団を海外に派遣した。沿岸部の浙江省からは、商務当局の責任者が率いる欧州訪問団がすでに出発した。これを皮切りに、今後は1万社あまりの企業関係者の外国訪問が予定されている。また、世界のハイテク産業を引き付ける江蘇省蘇州市からは、数百人規模の大型経済訪問団が欧州入りした。ドイツやフランスでの多国籍企業の訪問・交流、蘇州のPR、金融機関や現地の商工界との話し合いなど230件以上の日程が予定されている。

このほか、四川省、広東省、福建省なども政府部門主催の海外での経済・貿易イベントを実施しており、こうした動きは今後どんどん広がっていくと思われる。

中国と世界とのアクセスについては回復がめざましい。ここ1カ月の間に、国内の複数の航空会社が相次いで国際線の再開や増便を発表している。12月だけでも、中国国際航空、中国南方航空、中国東方航空の大手3社が136本の国際線を就航した。増便に伴い、12月1〜5日までの国際航空券の平均支払価格は前月比7.2%下落したという発表もある。

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