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【観察眼】歴史の分岐点に立たされる日本に問う

CRIPublished: 2022-05-25 18:50:25
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さらに、日米首脳会談後に発表した共同声明でも、中国を名指しして非難する箇所が多く、東・南中海における中国の合法的権益や、中国の内政である台湾、香港および新疆問題を取り上げて非難していた。おまけに、中国に対する核軍縮の要請まで盛り込んでいる。一方では、米国こそが世界有数の核大国である事実は完全に無視されている。

IPEF、QUADは米国が陣営を作り、中国に対抗するために編み出した包囲網とするならば、言うまでもなく、日本がその重要な網目に位置付けられている。日本の為政者たちも、その点をしっかり心得ており、決して米国を失望させないよう対応をしてきている。ただし、日本がしかけた侵略戦争の歴史を生きる隣国で暮らす者としては、今、日本が喜んで米国のお先棒を担ぐことの背後に見え隠れする「本音」に警戒せざるを得ない。その本音とは——米国の「自由で開かれたインド太平洋戦略」を追い風に、一歩一歩平和憲法のたがを外し、自身の軍事力拡張に合理的な口実を見つけようとしているのではないか、ということである。

◆信頼しあう隣国関係こそが最強の安全保障

バイデン氏の日本訪問を受け、日本の新聞各紙は大枠その成果を称賛する社説を出している。その中には、数少なくも質疑を呈する声もある。

24日付けの「朝日新聞」の社説は、「力による対峙(たいじ)を強め、経済安全保障の名の下に、相互依存関係の切り離しを進めるだけでは、平和と安定は保てない。米国の前のめりな姿勢を抑え、対話や信頼醸成の取り組みを交えた共存の道を探ることこそ、中国の隣国である日本の役割だ」と指摘している。同じ日の「東京新聞」の社説は、抑止力の強化・向上が軍拡競争を招きかねないことに懸念を示し、「中国との共存」という本来は疑う必要もない認識を改めて強調した。どちらの問題提起も、日本国民を含め、世界中の平和を愛する人が真摯に考えるべき指摘である。

「永遠の隣人」と称されている中国と日本。第二次世界大戦後の両国関係を振り返ると、50年前の国交正常化により、異なった制度下の国同士でも友好交流関係を築き、共同発展できることの手本を世界に示すことができた。50年この方、日増しに深まる交流の中で両国はいずれも大きな利益を手に入れた。それは単なる経済成長だけでなく、人的・文化交流も盛んになり、両国の人々の心に潤いをもたらしている。多くの日本の有識者からも指摘されたように、安定し、相互に信頼する日中関係こそが日本にとって最も強固で、最もお金のかからない安全保障である。

国際社会はいま、多国間協力体制が継続するか、陣営対立するかという歴史的な分岐点に立たされている。旧態依然の冷戦志向のお先棒を担ぐのか。それとも戦前の痛ましい教訓をくみ取り、隣国と向かい合って歩み寄り、相互信頼関係の構築に努め、平和発展の道を歩み続けるのか。いまの日本に問いたい。

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