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春に向かう列車(後編)

CRIPublished: 2019-04-12 16:21:00
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4月の北京、すっかり春らしい暖かい季節になりました。今回の中国メロディーも引き続き春に向かう列車に乗って、心を揺さぶるメロディーに合わせて、お花畑の中で春の魅力を楽しみましょう。

曹雪芹記念館のヤマモモ、独特のオーラを放つ

北京市北西部の西山の麓に北京植物園があり、園内では、毎年3月下旬にヤマモモの花が見ごろを迎えます。青々とした山々や緑、澄んだ小川に囲まれた数百本のヤマモモが、ピンク色や真っ白の、小さく目立たない花を咲かせます。形は小さいですが、すっきりとして優雅な花は、まるで蜂の羽根のようでしなやかです。桃の花を、まぶしく感じられる華麗なスターに例えるなら、ヤマモモの花は奥山に潜んでいる人のようです。

その清らかで洗練された見栄えは、ここで暮らす偉大な文豪の性格とぴったり合っているようです。ヤマモモのエリアの東側には、清の時代の有名な文学者・曹雪芹の記念館があります。曹雪芹が20年間心血を注いで書き上げた長編小説「紅楼夢」は、中国文学史上、屈指の名作です。曹雪芹は晩年、ここで十数年暮らし、友人を訪ねに近くへ行ったり、地元の人を診察したりしました。小説の素材やインスピレーションはこの場所が元になっているとのことで、この地は名作「紅楼夢」誕生の立会人と言えるでしょう。また一方で、この偉大な文豪の魂もこの地に独特のオーラを放っているのです。

仏教に縁の深い花~ライラック~

戒台寺は、北京市西部の門頭溝区の山奥にあります。北京市内では4月中旬に色とりどりの花が咲き乱れ、大覚寺のモクレンや天壇公園のアンズ、それに元朝時代の遺跡公園のカイドウなどはもう散り際となりますが、山奥にある戒台寺のライラックはまだ咲き始めです。寺の中にあるおよそ1000本のライラックのうち、20本は樹齢260年を誇ります。

ライラックは優雅な香りとハート形のはっぱで、仏教で「心が清ければ叶えられる」との言い伝えがあります。みなさんご存知のように、仏教のお寺にはよく菩提樹が植えられておりますが、菩提樹は中国北部のような寒い地域ではなかなか育ちません。そこで、中国の西の海「西海」と呼ばれる甘粛省、青海省などでは、ライラックを「西海の菩提樹」と呼んでおり、中国北部のお寺では広く植えられています。

ライラックは、毎年4月に真っ白や紫の花を咲かせます。花びら1つ1つは小さいのですが、穂のようになって咲く姿は、開き切ることができないといった憂いと悲しみの気分を催します。なので、中国のライラックの花言葉は「憂いの気持ち」です。

ボタン、咲けば都は大騒ぎ

景山公園は、北京の中心部・紫禁城の北にある公園で、昔は宮廷の庭園とされ、市内で最も有名なボタンの鑑賞スポットです。

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