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平和への思いを胸に 新時代の交流を一歩一歩〜書家・篆刻家師村妙石に聞く

CRIPublished: 2024-08-27 20:53:02
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<「若山牧水プロジェクト」で双方向の交流を>

――師村さんが手がける「若山牧水プロジェクト」とは?

これは、日本人の書家と中国人の書家が若山牧水を表現するというプロジェクトです。平仮名は中国の漢字の草書体から生まれました。プロジェクトでは、中国の書家は牧水の詩歌の中の平仮名の部分を字母である漢字で表し作品を制作します。音(おん)については日本語で発声をします。和歌は、本来は声に出して成立するものであり、外国語に翻訳して読むものではないからです。

日本には漢詩というものがありますが、これまで中国の書家たちが表現することがありませんでした。このプロジェクトで互いに相手国の文学を嗜むという、一歩進んだ新時代の文化交流を目指したいと思っています。昨年8月の東京での展覧会には中国の書道家16名が参加しました。今年12月には香港、来年からは上海、青島、西安などを巡回します。各地の書道家たちにも新たに加わっていただき、若山牧水の歌を通じて新時代の交流を広げていきたいと望んでいます。

<平和で明るい時代を共に築きたい>

――芸術が今後の中日関係に果たすべき役割とは?

私たち芸術家というのは、心のつながりを大事にして正直に作品に表現します。そして観る人が共感を得て世の中にプラスになっていく。こういう展開でなければ意味がないと思います。自己満足のための芸術であってほしくない。私はそういう思いで、この中国美術館でこういったチャンスを与えてもらったことを本当に感謝しています。

まずは芸術家同士で同じテーマで交流をしていくということ。そこからそれぞれの地域で、燎原の火のごとく交流が広がっていくことを私は期待しています。日中の間で再び戦いなどが起こらないように、不再戦の誓い、日中人民の世代友好を誓い合うような芸術家同士でありたいと思っています。

「若山牧水、師村妙石書法篆刻藝術展」会場の様子

――中国の子どもたちとの交流も積極的に行っていますが、どんな思いを託していますか。

子どもたちとの交流は、新時代から未来へ託す私のメッセージです。過去の過ちは直視しなければなりませんが、不再戦の誓いを持って、明るい時代を共に築き上げてほしい。これは日本の子どもであろうが、中国の子どもであろうが同じです。そういうことを伝えられたらと思っております。

ワークショップ後、北京の子どもたちとの記念撮影

【プロフィール】

師村 妙石(しむら みょうせき)さん

書家 篆刻家

1949年 宮崎県生まれ。1972年に福岡教育大学特設書道科を卒業。現在は北九州在住。

公益社団法人日展の会員と審査員

中国杭州にある「西泠印社」の名誉社員

上海中国画院名誉画師

中日国交正常化直後の1972年10月、友好訪問団として初訪中。2024年8月現在、232回を数える。2018年3月に浙江省嘉興市に師村妙石芸術センターをオープン。

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