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平和への思いを胸に 新時代の交流を一歩一歩〜書家・篆刻家師村妙石に聞く

CRIPublished: 2024-08-27 20:53:02
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8月14から24日、北京の中国美術館で国際交流展「若山牧水、師村妙石書法篆刻藝術展」が開催されました。日本の書道家・篆刻家である師村妙石氏(75歳)は、1972年の中日国交正常化直後の初訪中以来、篆刻や書を通じた中日交流をライフワークに活動を続けており、中国美術館での個展開催は2008年、2018年に続き、今回で3回目となります。今回の芸術展は、近現代の日本の文化人に大きな影響を与えた中国の画家・書家・篆刻家である呉昌碩(1844~1927)の生誕180周年を記念し、中国美術館、日本中国文化交流協会が主催し、西泠印社、若山牧水記念文学館が共催したものです。

芸術展には、呉昌碩と同時代を生きた日本の歌人・若山牧水(1885~1928)の直筆の書作品30点のほか、呉昌碩と牧水の2人をテーマに師村氏が創作した書や篆刻、さらに、鐘ヶ江勢二、財前謙、山元宣広も加わり4名の現代書家による和歌の書軸など、計81の作品が展示されました。

また、今回の展覧会を機に、師村氏の寄贈による若山牧水の作品5点が中国美術館に収蔵されました。8月23日、北京を訪れた師村氏に展示に寄せる思いを伺いました。

<書道・篆刻の源流に惹かれ訪中232回>

――師村さんは1972年以来232回も訪中されていますが、その情熱を支えるものは?

1972年10月13日、私は人民大会堂で周恩来総理と面会をする機会があり、全体での記念撮影もありました。周総理の堂々たる姿に接し、中国はすごい国だなということを感じました。それから書道、篆刻の源流である中国に対して興味を持ち、皆さんと交流を重ねるということが続いています。

中国の皆さんは書道、篆刻については自然な形で学んでおられます。さすが漢字の国だと、いつも私は敬意を持って接しております。

<中国美術館に若山牧水の作品5点を寄贈>

――今回の展示会への思いや意義をお聞かせください

日本では、呉昌碩は高等学校の書道の全ての教科書に紹介されています。書道家として、篆刻家として必ず学ばねばならない近代を代表する偉大な芸術家です。私も呉昌碩を若い時から専攻し、書、篆刻について研さんを深めてきました。その呉昌碩をテーマにした展示を中国美術館で開催できることに大きな喜びを感じ、感謝の気持ちで作品制作にあたりました。

中国美術館からの感謝状

近代日本の書家、文学者である若山牧水は、私の故郷である宮崎県出身の偉人です。若山牧水も呉昌碩も日本の教科書に載っていますが、中国では若山牧水のことを誰も知らないという現実があります。

日本の国立博物館などには、呉昌碩をはじめとする中国の近代名家の作品が数多く収蔵されています。しかし、中国の美術館が収蔵する日本の作品は、これまで浮世絵などの中世から江戸時代までの作品だけで、近代日本の作品はゼロでした。今回、専門家による3ヶ月間の討議を経て、若山牧水の5点の作品が全中国の美術館の頂点に立つ中国美術館に収蔵されました。これは歴史的なことです。

近代には、日中間に不幸な時代もありましたが、未来に向かって、若山牧水が平和の象徴、友好の象徴として、中国美術館に飾られたことは大きな足跡を残すものと確信しています。

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