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池坊北京華月学会 北京で春の花展(前編)

CRIPublished: 2024-04-16 21:27:17
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会場では、作品に関する解説だけでなく、華道池坊の歴史に関する講義や、無料体験レッスンも実施されました。

体験レッスンの様子

参加者からは「知識が深まっただけでなく、実際に花をいけて、美を作り出せたことがとても楽しかった」「いけばなは余白のアートだと実感できました」「花をいける時に、取捨が大事だと初めて知りました」「美を愛でる気持ちに国などは関係ない」といった声が寄せられました。

さて、北京でいけばなを教える人、学ぶ人は一体どのような人たちなのか。彼らは花を介して、どのような対話と交流をしているのか、花展の会場で取材しました。

■【堀江森月さん】吉野山のさくらも北京の枝垂れ柳も愛でたい

北京在住の池坊華道総華督・堀江森月さんは兵庫県出身の日本育ち。中国と縁を結んだきっかけは、「日中友好」がライフワークの父親が勧めた北京留学でした。そして、当時知り合った中国人の男性と結婚し、日本での暮らしを経て、2005年に生活の拠点を北京に移しました。

はじめはすべてが手探り状態。花屋に間借りをし、いけばなを教え始めたのは2009年でした。中国経済の高度成長を背景に、茶や伝統文化に目覚める人が増えたのと歩みを同じくして、自分の教室を開いた生徒さんの教室も含めてグループの教室は3ヶ所に増えました。この3つの教室が連携して2019年に「池坊北京華月学会」が発足しました。

堀江森月さんの作品

生徒は脚本家、経営者、フリーランス、美術教師など、職業はまちまち。日本のサブカルチャーから来た人もいれば、東洋の伝統思想や西洋のクラシックアートに興味がある人もいます。人数は多少の増減はあるものの、最近は30人あまりに落ち着いていそうです。

「高尚な目標なんてない。ただ、毎回のお稽古をみんなが一生懸命やってここまで来た」と、堀江さんは2回目の花展の開催に際して感想を語りました。

そう語る一方で、不意に涙もろい一面を見せる場面も。堀江さんは2年前の秋の花展で、メディアの取材を受けた際、コロナ禍で帰国がままならず、父の最期を見とれなかったことを思い出し、ポロポロと涙をこぼしていました。そして、今回、主催者代表として挨拶に上がったときにも、マイクを握ったまま、数十秒も言葉を詰まらせていました。

その時に胸に込み上げてきたものは何かと聞くと、「もう無我夢中でした。一つ一つの課題を自分たちで解決してきて、やっとこの日を迎えることができたんです」と心の内を明かしてくれました。

金杉大使に作品の説明をする堀江さん

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