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「中国市場でこれからも成長を」 〜キヤノン(中国)社長兼CEO・小澤秀樹さんに聞く〜

CRIPublished: 2024-01-05 12:03:21
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さらに小澤さんは、「カメラ市場に最近面白い“変化”が起きた」と続けました。

「スマートフォンの普及で、毎年、世界で撮られる写真のショット数が劇的に増えた。それが結果的に、カメラが再び注目されるようになる下地を整えた。今は、『スマホさん、ありがとう』と言いたい」

中国の若者にとってもSNSは欠かせない存在です。たくさんの「いいね」をゲットするために、スマートフォンでは撮れない、より完成度の高い写真を撮りたい。そんなニーズから再びカメラに注目が集まっているのだそうです。小澤さんは、まさに「塞翁が馬」だと語りました。

■「乗風破浪 2024年を良い一年にしよう」

小澤さんが2024年に寄せた言葉は「乗風破浪」

乗風破浪

疾風知勁草

全力以任

変被動为主動(受動を能動に変える)……

これらの言葉は、いずれも小澤さんが社内で愛用する中国語です。『貞観政要』『菜根譚』など中国の古典に基づく経営本を愛読しているという小澤さんは、「中国で何かを伝えたい時には、英語よりも中国語のほうがストレートに伝わる」ため、中国語の慣用語を好んで用いています。

また、中国国内の動向も常にチェックしています。昨年8月、中国国務院は政府調達や標準策定において外資を平等に扱うことを強調した「外資誘致の24項目の措置」を発表しました。さらに、年末の中央経済活動会議では、「ハイレベルの対外開放の拡大」を2024年の重点的な取り組みの一つに組み入れています。この一連の中国政府の動きに対して、小澤さんは「外資に差をつけない」という点について、「非常にありがたい。力になる」とポジティブに評価し、具体的な実施について期待感を示しました。

一方、海外メディアを賑わせてきた「中国経済崩壊論」については、「中国の経済が崩壊すると、世界の経済は崩壊する。それだけ、いま中国はいろんな国と強いコネクションにある」と語り、崩壊論を一蹴しました。20年間の中国市場で培われた肌感覚に基づく小澤さんの発言には力強さがあります。

最後に、今後の中国市場について、小澤さんは次のように抱負を語りました。

「中国の消費者はどんどん目が肥えて、賢くなっている。欲しいものは多少高くても買うが、欲しくないものは安くても買わない。キヤノンとしては、消費者たちが欲しくなるようなものを、ライトタイミング、ライトプライスでちゃんと出していかないとダメだと思う。そこがちゃんとできていれば、中国で成長を続けることができるだろう」

【プロフィール】

小澤秀樹(おざわ ひでき)さん

キヤノン株式会社 副社長執行役員

キヤノンアジアグループ 総代表

キヤノン(中国)有限公司 社長兼CEO

慶応大学法学部卒業、1973年キヤノン入社。米国やシンガポール、香港の勤務を経て2005年キヤノン(中国)有限公司社長兼CEO。2017年からキヤノン副社長執行役員。

■キヤノンと中国とのかかわり

1979年 周恩来総理夫人の鄧穎超氏がキヤノン本社を訪問

1981 年 中国の会社と技術提携を開始

1997年 キヤノン(中国)有限公司設立

現在中国大陸に14会社 従業員約2万人 中国への累計投資額1千億円超

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