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「中国市場でこれからも成長を」 〜キヤノン(中国)社長兼CEO・小澤秀樹さんに聞く〜

CRIPublished: 2024-01-05 12:03:21
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業界でも中国通として知られる小澤秀樹さん。その中国駐在歴は、2024年で20年目に入ります。

笑うと瞳の奥が輝き、口元は「スマイリーフェイス」のように、にっこり。トレードマークは赤地のネクタイ。そんな小澤さんが社長を兼任するキヤノンアジアでは、朝は声出しのあいさつから始まります。月曜は「パッションデー」。社員に「赤い何かを身につける」ことを呼びかけます。そして、入門の顔認証には「笑顔」が必須といった、ユニークな企業風土が確立されています。

2023年の最後の仕事日に、「ゆく年を振り返り、くる年を展望する」をテーマに、北京のCBDにあるキヤノン中国本社で小澤社長にインタビューしました。

■2023年は「非常に印象深い年」

1981年、小澤さんは中国大陸に初めて足を踏み入れました。当時、米国駐在だった小澤さんは香港出張のついでに、広東省の中山を訪れたそうです。その頃の中国は改革開放が始まったばかりで、「将来性に満ちた国」という印象だったものの、自身が中国とこんなに長くかかわるようになるとは思わなかったそうです。

駐在が20年にも達した理由について、「中国はキヤノンにとって最も重要な市場だから」と小澤さんは言います。

杭州アジア大会開会式の様子

過ぎ去った2023年は、中国では新型コロナウイルス感染症が沈静化し、経済・社会活動が再開した年でもありました。小澤さんは、「3年間できなかったことが一気にできて、非常に印象深い年になった」と話し、その中でも、キヤノンがメインスポンサーとして協賛した「杭州アジア大会」が「最もやりがいを感じ、思いっきりフルスイングもできた」イベントだったと振り返りました。とりわけ開会式の 「徹底した芸術的なパフォーマンス、人の動員力」に深く感動したそうです。

◆写真文化の下地整えた「スマホさん、ありがとう!」

今、世界では社会や経済の不確実性が高まりつつあります。「VUCA(ブーカ)時代」といわれる先行きが見えない社会の中で、小澤さんは「2023年はさまざまな動きが経済に良い、あるいは悪い影響を与えたと実感した年でもあった」と言います。

そんな環境の変化に対応するため、キヤノンは強みを結集して有望な分野に注力する「選択&集中」の戦略により、今後も成長を目指し続けていくそうです。

2023年6月に開催された大連市第34回「キヤノン杯」日本語弁論大会の模様

その一例となるのが同社のカメラ関連の動向です。今年、中国ではリベンジ消費として観光業が盛り上がりました。その波に乗り、キヤノンはさまざまな「オフライン旅行」をテーマとする販促イベントを展開。バードウオッチング、星空旅行など新たな観光トレンドに応える多彩なプロモーション活動を実施しました。

ところで、スマートフォンの普及はカメラの購買に、どんなインパクトをもたらしたのでしょうか?小澤さんはとりわけ、若者市場のポテンシャルに注目しています。中国のミレニアム世代とZ世代の人口は合わせて約5億人にもなるからです。

小澤さんは、「彼らのほとんどがまだカメラを持っていないことを考えると、まさにブルオーシャンだ」と語り、「良い製品を買いやすい値段で、魅力的なスペックを出していけば、非常に開拓できる可能性がある」と、スマートフォンの普及を、むしろプラス思考で捉えています。

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