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【北京冬季五輪注目の選手②】ショートトラック・武大靖

CRIPublished: 2022-01-24 15:50:00
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念願の国家チーム入りただし、アシスタントとして

プロの道は簡単ではありませんでした。毎日の過酷な練習と、ホームシックにも耐えなければなりません。布団の中でひそかに泣く夜も多かったそうです。また、初めて大きなけがをしました。練習中に数人が倒れ込むのに巻き込まれた武さんは、ほかの選手のスケート靴のブレード(靴底の刃)に足を切られてしまいました。

所属していた江蘇省のチームは2009年に解散し、武大靖さんは東北地域の吉林省のチームに移籍することになりました。その後、国内のリーグ戦で見せた滑りが当時の国家代表チームのヘッドコーチの目に止まり、スカウトされたことが彼の大きな転機となります。しかし、それは代表選手としてではなく、代表選手の練習相手、つまりアシスタントとしてのチーム入りでした。女子代表チームの練習相手を任されたのです。

女子チームのレベルは想像を超えていました。武さんは、長距離でも短距離でも、女子選手に負けることもしばしば。「練習で女性選手に追い越された時は辛かった」と振り返ります。

国家代表チーム内の競争は激しいものでした。選手であろうと、アシスタントであろうと、必要なレベルを満たしていなければ残ることはできません。大きなプレッシャーを抱えた武さんは、食事も喉を通らず、眠れない時期もあったと話します。

自身の滑りを見つめ直し、躍進を果たす

2012年にさらなる転機が訪れました。代表選手たちが海外遠征に出ている期間を利用して、武さんは落ち着いて自身の滑りを磨き上げました。それが成績につながり、代表チーム内の練習試合でどんどん上位に立てるようになりました。そして、ついに代表選手として国際大会に出場できるようになりました。

2013年2月、スピードスケート・ショートトラックのW杯ソチ大会の男子500mで2位になり、10月に行われたW杯韓国大会の1000mでは優勝を飾りました。

2014年2月、ソチ冬季オリンピックで初のオリンピック出場を果たし、男子500mで銀、5000mリレーで銅を獲得しました。

2014年3月の世界選手権では500mで優勝。2015年の世界選手権でも同種目で優勝し、2連覇を果たしました。その後も、特に500mと1000mで成績を残し続けました。

2018年2月、自身2度目のオリンピックとなった平昌冬季オリンピックでは、まず500mのグループ予選でオリンピック記録を破ります。そして、準々決勝と決勝で、2度世界記録を更新し、優勝しました。また、男子5000mリレーでは、中国男子チームの過去最高となる2位を獲得しました。平昌大会で特に輝いた選手として、閉会式の中国選手団の旗手にも選ばれました。

2018年11月のW杯では、自身が持つ世界記録をまた破って優勝しました。

「うぬぼれていたら、すぐに教えて」謙虚なチャンピオン

優勝と記録更新を繰り返す躍進を果たした武大靖選手ですが、コーチにはこう言っているそうです。

「チャンピオンになった私に、うぬぼれるような気配が出てきたと感じたら、すぐに教えてください」。

のちに記者からこの発言の意図を聞かれた武選手は、「タイトルをある程度重ねていると、どうしても思い上がり、天狗になりがちだ。そうならないように気をつけたい」と話しました。

北京冬季五輪では自己ベスト目指す

北京冬季オリンピックは武大靖さんにとって3度目のオリンピック。そこにかける思いについては、「せっかくの自国開催なのだから、ホームの北京で今まで以上の成績を収めたい。最高のコンディションで試合に出るつもりだ」と話しています。

平昌冬季五輪で優勝した武大靖選手

この記事をお読みになってのご意見やご感想、または北京冬季オリンピックについての思いやメッセージをぜひお寄せください。メールアドレスはnihao2180@cri.com.cn、お手紙は【郵便番号100040中国北京市石景山路甲16号中国国際放送局日本語部】までにお願いいたします。皆さんからのメールやお便りをお待ちしております。

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