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パーさんが語る「私の故郷・新疆」(後編)~西側メディア新疆に焦点を当てた理由

CRIPublished: 2021-05-25 22:56:00
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案内:王小燕&斉鵬

25歳のウイグル族の青年、「パーさん」ことパハルディンさんのオンライン講演会の続きです。

2019年大学を卒業した時のパハルディンさん

後編は、今から約12年前、パーさんの14歳の夏の思い出から始まります。その年、「中二病を患っていた」と笑って振り返るパーさんは、『犬夜叉』『ナルト』にハマる、マンガ好きの少年でした。

ある夕方の出来事でした。突然、同じ団地に住む漢族の友達が、絶叫しながら自転車で団地の敷地に転がり込んできたのです。それはもう、猛烈な勢いでした。その友達は「暴動だ!人が殺された!」と慌てふためいていました。それを聞いたパーさん、最初は「またどこかで暴動か」という程度の受け止め方でした。しかし、事態が尋常でないことが分かってきます。

後からの発表によれば、この日に発生したのは無差別の刺殺テロで、死者197人、負傷者1700人という大惨事でした。犯人は、海外に渡航して訓練を受けてから国内に戻って来たテロリストで、組織的な犯罪でした。

「この事件で新疆のイメージが一気に悪くなり、しばらくの間、新疆を訪れる観光客が激減しました。その後、各民族の人々が何年も地道に努力を積み重ねたことで、ようやく社会の安定が取り戻せました。それなのに、最近になってから新疆にまつわるレッテル貼りが再びメディアに踊り出るようになり、実態とかけ離れた報道により作り出された新疆のイメージが、社会の安定を再び脅かそうとしています。もうこんなことは絶対に許せません」

変わらず落ち着いた口調のパーさんですが、その内容からは怒りが滲んで見えました。

講演の中でパーさんは、自身や友人が撮影した写真・動画を交えながら説明してくれました。途中、リクエストに応じて、ウルムチにいる両親とビデオ通話をつないで、画面越しに「ごく普通のウイグル人の家」の中まで見せてくれました。

息子を訪ねて北京を訪れてきたパハルディンさんの両親

講演会では、コメンテーターとして拓殖大学海外事情研究所の富坂聰教授と、日本華人教授会初代会長を務める東洋学園大学の朱建榮教授がそれぞれ発言しました。

富坂教授は、商業ジャーナリズムに見られる「情報の記号化」を指摘しました。それは、複雑な情報を短い言葉にまとめ、インスタントなキーワードに置き換えて認知される現象のことです。特に海外報道の場合は「受け手が現地の日常を知らないまま、ニュースとして取り上げられる『異常』にのみ接しているので、入ってくる情報量が非常に小さい」とその複雑さを分析しました。さらに、「記号化された情報が一旦広がると、修正するのが難しい」という特性にも着眼しました。それらを踏まえた上で、「コロナ禍を背景に西側メディアのウイグル関連報道は特定の意図を持った情報発信が増えている。その中で、自身の体験に基づいたパハルディンさんの講演会はとても意義があるもの」と評価しました。

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