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一年ぶりの帰国、福州からの隔離リポート~入国者に聞く中国の水際対策のリアル

CRIPublished: 2021-02-02 16:43:00
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聞き手:王小燕

福州のホテルで健康観察中の孫毅氷さん

中国国家衛生健康委員会の発表によりますと、1月31日時点、海外からの入国者による感染例が累計で4717人で、この内の4415人が回復して退院し、死亡例は報告されていないということです。この数は、中国の防疫当局が水際で厳格な健康観察と検査を実施した結果でもあると言えます。では、海外から中国に入国した後、どのような手順で隔離生活を始め、隔離先のホテルでどのように健康管理を受けているのか、今日は勤務地の日本から一時帰国し、現在は福建省福州市のホテルで隔離生活を送っている孫毅氷さんに実体験を聞いてみました。

孫さんは山東省生まれの30代です。大学から日本で留学し、卒業後、中国に投資がある日本企業に勤め、最近は新規事業の高齢者福祉や地域交流事業を通じて日本と中国を跨いで活躍しています。例年だと、出張や帰省などで、毎月のように中国と日本の間を行き来している孫さんは、新型コロナウイルスの影響で、1年余り、中国に戻っていません。今年は、春先に中国国内での長期出張の予定もあり、それに合わせて、旧正月の春節を2年ぶりに実家で過ごしたく、休暇をもらって帰国を決めたそうです。本来は東京から最寄りの青島空港までの便が一番便利ですが、様々なルートの料金を見比べた結果、孫さんは成田―福州、片道13万円のチケットを購入しました。福州入りは1月27日で、現地での隔離生活を始めて約1週間経とうとしています。

――孫さん、新型コロナの感染が続く中での海外への移動、色々たいへんだったのではないでしょうか。

孫はい。飛行機の料金がとても高いのと、中国国内では、「現地で旧正月を過ごそう」という呼びかけもあり、福州から威海までの直行便が突然欠航になったという連絡もあり、色々不便を感じたことは確かです。けれども、春節は実家で過ごしたいと思った人が多かったのか、私が乗った成田から福州行の大型ジェット機は、ほぼ満席でした。

――では、27日、日本で自宅を出てから、福州のホテルに到着するまでの流れをざっくり教えてください。

孫その日は、午後3時半のフライトですが、小田原の自宅を朝9時に出ました。12時に成田空港に到着しましたが、チェックインのところはすでに長蛇の列でした。皆さん、検疫のことを考えて、早め早めに到着したほうが良いと思っていましたね。

フライトは予定時刻に離陸して、夕方7時に福州に着陸しました。福州空港で手続きを済ませて、荷物を受け取って、隔離先のホテルに到着したのは、夜の10時半頃でした。

――長い一日でしたね。隔離先のホテルは自分で選ぶものですか?

ホテルの部屋からの眺め

孫いいえ。ホテルは事前に選ぶことができません。ですので、到着するまでは、どこに行くのかが分からず、ドキドキしていましたね。そのプロセスの中で印象に残ったことは、やはり中国の感染症対策のすごさです。

空港内の職員は全員防護服でした。乗客全員へのPCR検査と体温測定はもちろんのことでしたが、何よりも驚いたのは、細々と消毒をしていたことでした。預ける荷物が届くまでに、待つこと1時間以上でした。ターンテーブルで流れてきたときは、どの荷物もびしょ濡れになっていて、白い粉がついたりしていました。それほどに徹底した消毒をしていたようです。

そして、導線の確保です。飛行機を降りてからホテルの部屋に入るまで、職員以外の誰にも会いませんでした。全て専用通路を使っていました。ホテルも、ロビーから入るのではなく、裏口から専用のエレベーターに乗って部屋に入りました。チェックインや支払いは全て部屋の中でスマホで済ませました。

部屋に入ると、宿泊中の注意事項などが印刷されたファイルが机に置かれていました。徹底した非接触型のサービスでした。

――支払いはすべてスマホ決済だと、中国のスマホ決済のツールが使えない外国人だと不便そうですよね。

孫私もそこが気になったので、フロントに電話で確認してみました。すると、「今までの外国の方はほとんどスマホ決済が出来る方ばかりでした。どうしても使えない場合は、隔離が解除されてチェックアウトの時に、フロントでキャッシュやカードでの支払いが可能です」ということでした。

また、隔離客への連絡事項は基本的にSNSのウィーチャットを使っていますので、備え付けの自動翻訳機能がありますので、とりあえず言葉が分からなくて困るようなことはないようです。

――孫さんが今泊まっているホテルの様子を教えてください。

孫そうですね。空港から車で約1時間のところにあります。福州駅のすぐ近くにあり、便利な場所のようです。部屋がとても広くて、とにかく新しい。どうやら隔離用にリフォームしたばかりのようです。

部屋の様子

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