「嫦娥6号」が持ち帰った月の裏側のサンプルの配布申請が間もなく開放
写真に表示された青い丸の部分は、月の裏側にある嫦娥6号のサンプル採取地点
中国の月探査機「嫦娥6号」の帰還機が今年6月25日、月の裏側から約1935.3グラムのサンプルを携えて無事帰還しました。これは人類がこれまでに唯一、月の裏側から採取したサンプルです。これらの月の裏側のサンプルの配布申請が間もなく開放されるとのことです。
「嫦娥6号」ミッションの李春来副総設計士はこのほど、嫦娥6号が採取したサンプルは、封印の解除、分装、処理、準備、初期分析が完了しており、おそらく今年末までに、さらなる研究のために中国国内の科学者に配布されると発表しました。
「嫦娥6号」の月研究サンプルは、公募により配布されると報じられています。中国の月探査・深宇宙探査ネットワークにアクセスして月・深宇宙探査科学データおよびサンプル配布システムに入り、必要な情報を入手して、科学研究サンプルの配布申請を行うことができます。
李春来副総設計士は、「世界中の科学者がこの唯一の月の裏側のサンプルに非常に興味を持っており、月に対する人類の認識を刷新することを楽しみにしている」と述べました。
「嫦娥6号」のサンプル採取地点は、月の裏側の南極エイトケン盆地にあります。南極エイトケン盆地は月で最も古く、最も深い、隕石の衝突による盆地であり、月の形成と進化の歴史を研究し、月の内部物質の組成を研究する上で重要な意義があるとみられています。
2020年12月17日には、中国の月探査機「嫦娥5号」が月の表面から1731グラムの月の土壌をサンプリングして地球に持ち帰ることに成功しました。初期調査によると、「嫦娥6号」の月のサンプルは「嫦娥5号」のサンプルと比較すると色はやや薄く灰色で、密度はより小さくて粗く、粒子の起源がより複雑であり、含まれている鉱物の種類も豊富で、火山活動の痕跡が残る玄武岩にはカンラン石がほとんど含まれていないことから、「嫦娥5号」のサンプルと比較して、岩石の成因に顕著な違いがあることが示唆されています。これらに関する研究の成果は人類が月の神秘を探索する上で重要な裏付けを提供します。