2024笹川杯全国日本知識大会 浙江大学で開催
中国の大学生が日本に関する知識を競い合う大会「2024笹川杯全国日本知識大会」が26~27日に中国東部の浙江大学で開催されました。中国の日本語教育界で高い影響力を持っており、注目を集めています。
団体戦最優秀賞を獲得した北京外国語大学チーム
個人戦最優秀賞を獲得した南開大学の賈欣怡さん
今大会には、南京大学、北京大学、北京外国語大学、浙江大学をはじめとする中国全国の100校から398名の日本語教師と学生が参加しました。団体戦では北京外国語大学が最優秀賞を獲得し、個人戦では南開大学の賈欣怡さんが最優秀賞に輝きました。
「笹川杯全国高校日本知識大会」は、日本科学協会と中国本土の大学が共催し、日本財団が特別協賛しています。2004年に創設され、20年にわたって中国若者の日本に対する理解を深め、将来の中日関係を担う人材育成にもつながるとみられています。
浙江大学の周江宏副学長
今大会の中国側主催者の一つである浙江大学の周江宏副学長は、「20周年を迎えた今、参加者がこのプラットフォームで日本語コミュニケーションの能力を発揮し、中日両国の相互理解と相互尊重を促進することを期待している。また、今大会を契機に大学教育の分野における国際交流と協力の新しいあり方を模索し、新時代の中日関係の強固な基盤を築く機会としたい」と述べました。
日本財団の尾形武寿理事長
日本財団の尾形武寿理事長は「日中関係は今後、困難な局面を迎えるかもしれないが、鄧小平氏が訪日した際に『難しい問題は未来の若い優秀な人々に託す』と述べたことは非常に有名であり、棚上げされた問題はいつか解決されなければならず、その解決には争いを避ける方法を考えることが重要だ。日中の交流には数千年の歴史があり、私たちはこの3000年の知恵を生かして若い世代が新しい視点で問題解決に取り組むことができると信じている」と語りました。
日本科学協会の高橋正征会長
日本科学協会の高橋正征会長は「中国では毎年『笹川杯全国日本知識大会』が開催され、また日本では『パンダ杯全日本青年作文コンクール』が行われている。このコンクールでは、日本の若者が『私と中国』をテーマにエッセイを書き、1000名余りの応募者の中から30名が選ばれ、中国からの笹川杯受賞者と対面で交流し、親密な関係を築いている」と紹介しました。
今大会では、大学生たちが日本語に関する知識を競い合い、互いに学び合いました。また、ある学生はAIの普及により外国語学習が便利になる一方で、AIが翻訳の役割を代替する可能性についても考察しました。さらに、東アジアの文化圏における漢方医ロボットの開発・普及について意見を述べる学生もいました。講演者たちの優れた日本語レベル、広い国際的視野、未来志向の使命感に審査員と観客たちから大きな拍手が送られました。