中国の西安博物院で重要考古文化財展 半数以上が初披露
中国西部陝西省に位置する西安博物院と西安市文物保護考古研究院が共同で開催する「長安を探る--西安市文物保護考古研究院30年考古成果展」が9月30日、西安博物院で始まりました。西安地区の30余りの発掘プロジェクトの成果が集中的に展示されています。
同展では、西安市文物保護考古研究院が30年の間に発掘した出土品のうち280点(組)余りを選び、考古学的成果を切り口として三つのテーマに分け、考古学モデル、デジタルインタラクション、インタラクティブ体験などさまざまな展示方式によって、歴史的文脈や遺跡の様子を紹介しています。
同展は「魚化寨遺跡(6000〜7000年前)」「少陵原十六国大墓(304〜439年)」「隋唐長安城朱雀大街五橋並列遺跡(581〜907年)」など、30余りの重要な発掘プロジェクトによって西安の歴史をつなぐものとなっており、展示物の50%以上が初公開となっています。
このうち、2020年に西安地下鉄8号線の建設に際して発掘された唐代の「三彩来通杯」は、柄の末端と口縁の間に胡人(古代中国の北方・西方民族に対する呼び方)を作っており、ある学者は小さな海神「トリトン」がサザエを吹く様子だという見方を示しています。
また、2006年に隋の役人夫婦の合葬墓から出土した「酒神ラクダ袋ラクダ俑」には、酒に酔った酒神ディオニソスと彼を支えていた2人の侍従が彫られており、国内で出土したラクダにギリシャの酒神の図案が現れた最初の文化財となっています。
これらの文化財は唐代の中国と西洋文明の交流と融合を示しています。
紹介によると、西安市文物保護考古研究院は30年間で2000件以上の文物探査と千件以上の考古発掘プロジェクトを完了し、1万基以上の古墓を発掘し、10万点近くの貴重な出土品を収集しました。