中国の研究者 フェムト秒レーザー技術で金属の耐腐食性を向上
中国科学院長春光学精密機械・物理研究所マイクロ・ナノフォトニクスと材料国際実験室の楊建軍氏が率いるチームは、フェムト秒レーザー技術により金属表面の超疎水性安定性を高め、金属表面の耐腐食性を著しく向上させました。これに関する研究論文は先日、国際的な学術誌『Advanced Materials(先端材料)』に掲載されました。
フェムト秒レーザー技術による金属の耐腐食性向上原理の図解
超疎水は自然界においては普遍的な現象です。金属表面が超疎水になると、水をはじく特性を持ち、セルフクリーニング、防食、抵抗の低減、凍結防止などの面で顕著な効果があります。
楊建軍氏のチームはフェムト秒レーザーによるマイクロ・ナノ構造への元素ドーピングと周期的な低温アニーリングを組み合わせた研究方法を利用し、金属表面に亜結晶相態が主導するバイオミミクリーな蟻穴状構造を構築し、効率的で安定した自己起動型超疎水効果を作り出することに成功しました。
研究チームは実験を通じて、この金属サンプルは腐食性のある塩水に継続して2000時間浸された後でも、表面は依然として良好な超疎水性を保つことができることを発見しました。そればかりか、強い電気化学反応テストを経た後でも、この構造の耐食性は突出しており、異なる酸・アルカリ溶液に浸されたりして、紫外線放射、冷凍サイクルなどの多種多様な過酷な環境にも耐えることができます。