324メートル!中国の科学者が世界の低・中緯度氷河で最長の氷床コアの掘削に成功
普若崗日氷原で氷床コアを掘削した第2回青海・チベット科学調査チーム
中国西部のチベット自治区那曲(ナクチュ)市双湖県内にある普若崗日氷原は、チベット高原で最厚の氷河です。第2回青海・チベット科学調査チームが29日に明らかにしたところによると、同氷原で科学調査を行っている守護給水塔科学調査チームはこのほど、10号氷河で長さ324メートルの氷床コアを掘削し、世界の低・中緯度氷河で最長の氷床コアの新記録を樹立しました。掘削は16日に始まり、約8日間を要しました。これまでの記録は、同自治区阿里(ガリ)地区の西崑崙山脈にある古里雅(グリヤ)氷冠が保持していました。
中国科学院チベット高原研究所副所長の徐柏青研究員によると、普若崗日氷原は世界の低・中緯度地域で最大の氷原で、今年9月にその厚さが約400メートルと探測されたチベット高原で最厚の氷河です。このことは、同氷原が、チベット高原さらには全世界の気候・環境変動の研究における今後の新たな重点エリアとなることを意味しています。
厚さ測定とコアリングを通じて、この世界の低・中緯度地域で最大の氷原である普若崗日氷原で進行中の変化と記録された環境の変化をより良く観察することが可能で、それにより、地球温暖化が氷河に与える影響を全面的に理解できます。