タクラマカン砂漠でおいしさ満点の海ガニの養殖に成功 中国北西部
中国北西部新疆ウイグル自治区のアラル(阿拉爾)市はタクラマカン(塔克拉瑪干)砂漠の境界線一帯に位置しており、一帯の土地は深刻な塩害問題に悩まされています。土壌の酸性度とアルカリ性度のバランスを保つために、現地では毎年タリム(塔里木)川から大量の水をくみ上げて土地のアルカリ化対策作業を実施していますが、作業で生じたアルカリ性の水が貯まることで、4300ムー(約287ヘクタール)余りものアルカリ水域が形成されました。現地政府は今年5月、新疆支援プロジェクトの協力を得て寧波大学と連絡を取り、中国東海の沿海地域にある浙江省台州市三門県産の良質な海ガニ「アオガニ」をアルカリ化した水で養殖する実験をスタートさせました。現在、アオガニの養殖は収穫期を迎えています。
砂漠地帯で養殖された海ガニ
9月27日の早朝、地元の養殖農家たちがカニの養殖池のほとりに集まってきました。作業員たちが手慣れた方法でかごを引き上げると、かごいっぱいの大きなアオガニが目の前に現れました。カニの殻は日光に照らされて、きらきらと光っています。今回タクラマカン砂漠で実施された東海アオガニ養殖プロジェクトを担当する専門家たちは早速、取れたてのアオガニについてデータ測定と分析を行いました。
寧波大学の王歓教授は「アルカリ化した水と土壌の測定を行ったところ、非常に良いミネラル成分が含まれていることが分かった。このアオガニは、背中が青く、腹が白くて、見た目もとても良く、味も旨味と甘味があって、品質は東海で育った魚介類とほぼ変わらない」と述べました。
アラル市では今年、300ムー(約20ヘクタール)のアルカリ化水域で3万匹のアオガニの養殖に成功した後、来年は養殖用アルカリ化水域を1400ムー(約93ヘクタール)に拡大する計画で、カニの生産量は50トンに達する見込みです。
新疆は中国でもアルカリ化した土地の面積が比較的多い省