22歳の中国青年 中国建築の榫卯(組子)構造で「エッフェル塔」パンを創作
エッフェル塔パン作りに取り組む李駿飛さん
第47回技能五輪国際大会は9月10~15日にフランスのリヨンで開催されました。中国東部の江蘇省蘇州市の呉中技師学院から参加した22歳の李駿飛さんは、中国の伝統的な建築手法の一つである榫卯(日本の組子に相当)を使用して独特な創意を凝らして高さ80センチの「エッフェル塔」パンを作り、会場を驚かせると同時に金メダルを獲得しました。李さんは、世界に中国の独特な建築手法を見せることが作品設計の初心だと紹介しました。
李さんが受賞した作品に使われる「榫卯技術(ほぞ継ぎ)」は、中国の木造建築の伝統的で優れた技術で、その奇抜なアイデアはエッフェル塔の形を通じて再現され、中国の伝統文化の魅力が生き生きとアピールされています。
李さんによりますと、審査員はみな驚き、このスタイルをとても気に入ったそうです。「このパンを作るには少なくとも10時間かかる。まずは砂糖と水を混ぜて煮沸させ、黒麦粉を入れてよく混ぜる。100個以上の小さな部品を作り、低温で乾燥させてから一つずつ繋ぎ合わせていく。一番難しいのは最後の接合だ。パンは焼くと、少し縮まる。一つ一つそっくりにしなければならない。そうすれば、組み合わせる時にちょうど引っかかることができる」と李さんが紹介しました。
これほど難易度が高いのに、なぜ榫卯構造を採用したのかについて、李さんは「今回の試合では、選手たちがエッフェル塔というテーマに基づいて、バゲットを作ることが求められた。エッフェル塔自体がつなぎ合わせたものなので、中国の榫卯構造を使用して芸術パンを作ることを思いついた」と話しました。このアイデアは、李さんを指導する蔡葉昭コーチをはじめとする専門家チームからの提案でもあります。
蔡さんは技能五輪国際大会のパン製造部門で初めて優勝した中国人選手で、2017年に海洋と砂漠を要素とした作品「アブダビツアー」で第44回技能五輪国際大会のパン製造部門で金メダルを獲得しました。蔡さんは「祖先から受け継いできた文化と革新を世界の舞台に持って行って、より多くの人に中国の文化を紹介したい」と語りました。