日本語

末期がんの女性 「やり残した100の挑戦」で注目集める=中国

CRIPublished: 2024-05-13 14:12:49
Share
Share this with Close
Messenger Pinterest LinkedIn

中国中部の重慶市にある四川美術学院4年生の朱祉光さんは2024年初めに、姉から連絡を受けました。「死ぬ前に動画を撮影して、記念として子供に残したい」という頼みでした。

今年36歳の朱さんの姉・鄧(トウ)静さんは末期の乳がん患者です。6回の化学療法、乳房切除手術、25回の放射線治療を受けましたが、余命は3~6カ月しかないと医師から言い渡されました。昨年12月末には皮膚の潰瘍(かいよう)がひどくなり、医師は3級の火傷と同様と判断しました。放射線治療が終わった後には長い回復期に入りましたが、トウさんは毎日ベッドに横になって携帯電話をいじるという暮らしにうんざりして、自らの体調と作業の難度を検討した上で、SNSのアカウント設置を試みました。弟の朱さんに連絡したのは、自分の最後の日々を記録する動画の制作を手助けしてもらうためでした。トウさんの最初の願いは単純なものでした。それは「家族がすべてつつがなく、健康であること」だけでした。しかし、弟に何度も問いただされたことで、トウさんは改めて真剣に考えるようになりました。

鄧静さんの動画から

家族全員の集合写真を撮りたい、海を見たい、山に登りたい――。トウさんは死ぬ前にやり残したことを20以上も思い出して、さらに「死ぬ前にやり残した100のことに挑戦」という、動画制作のテーマを最終的に確立しました。挑戦の過程をネット上に投稿し、達成するたびに、動画の最後の部分で自分のシンボルであるスローガンの「有限の生命、無限の可能性」を言います。

トウさんは2024年1月初めから4月中旬にかけて、すでに15件を達成しました。そして、彼女のフォロワーは30万人を超えました。人気が高まると、いくつかの会社が広告の掲載を依頼しました。しかし料金は高くなく、トウさんの1回の治療費も満たせない金額です。トウさんの治療費には21日ごとに3万元(約63万円)かかり、一般家庭が負担できる金額ではありません。トウさんは自らの影響力を拡大して、乳がんなどの治療に用いられる抗がん剤のDS-8201をできるだけ早く医療保険の対象に追加することを促したいとの考えです。トウさんは「医療保険の薬品リストに入ったら、3万元だった薬の価格は1000~2000元(約2万1000~4万2000円)に下がるかもしれません。そうなれば、より多くの乳がん患者を助けることができます」と期待しています。

あるフォロワーは、ネットを通じての募金をトウさんに提案しましたが、トウさんは受け入れませんでした。トウさんは、「今は広告やライブコマースなどで努力しています。自分自身で稼いだお金ならば、心の負い目を感じずに使えますから」と説明しました。

Share this story on

Messenger Pinterest LinkedIn