イタリアに流出した文化財・芸術品56点 祖国に戻る
新石器時代の馬家窯文化の彩陶
国家文物局によりますと、国内から流出した文化財・芸術品56点がこのほどイタリアから祖国に戻りました。
専門家によりますと、これらの文化財は主に現在の甘粛省、青海省、陝西省などで出土し、高い歴史的・芸術的・科学的価値を持つものです。中でも、新石器時代の馬家窯文化の彩陶は中華文明の起源と初期の発展を研究する上での直接的な物的資料となり、漢代・唐代の陶俑と元代の陶獣は当時の社会が安定し豊かで開放的かつ寛容的だったことを示す実物証拠となります。
イタリアの文化財保護当局は2022年10月と今年4月、中国のものと思われる文化財をそれぞれ3点と53点押収したと中国側に通知しました。国家文物局は、専門家による鑑定と法的判断結果に基づいて詳細な鑑定意見と法的根拠報告書をイタリア側に提供し、外交ルートを通じて返還を要請しました。イタリア側はそれに応じ、56点の返還を決定しました。
今回の返還は、19年3月にイタリアが中国に文化財・芸術品796点を返還して以来となる、両国政府が締結した「文化財の不法な輸出入の防止に関する二国間協定」の枠組みの下で行われた新たな協力成功事例です。
祖国に戻った文化財・芸術品は今年11月時点で計48回・2113点