中国人男性が3年間育てたペットの「イヌ」はまさかのオオカミ
犬と間違われたオオカミのシャンシャン
中国西北部の新疆ウイグル自治区ウルムチ市郊外で9日、1頭のオオカミが野生動物救護センターに移送され、話題になっています。このオオカミは、ある男性が「子犬」と間違えて丸3年もの間飼育していましたが、最近になって野性があらわになり、ようやくその正体に気づいたということです。
話は3年前にさかのぼります。男性が道端で、足を折って息も絶え絶えの、けがをした「子犬」を見つけました。男性はこの「子犬」をかわいそうに思い、家に連れて帰り、大切に世話をしました。まず餌を与え、けがの手当をして、男性は「子犬」を家族のように暖かく見守りました。さらには、愛情を込めて「シャンシャン」という名前まで付けました。
始めの頃、シャンシャンは普通の子犬のようにおとなしくてかわいかったのですが、時間が経つにつれて、この「犬」は、少しずつ奇妙な兆しを見せ始めました。まずは体つきです。尖った耳に太い四肢と太い尻尾、シャンシャンは成長するほどに、普通の犬とは思えないがっしりとした体つきになってきました。また、毎日食べる量も驚くほど多く、生肉を1キロ以上も平気で平らげ、ドッグフードにはあまり興味を示しませんでした。最も不安だったのはほえる声です。それはオオカミの遠ぼえにそっくりで、真夜中にひとしきり続く恐ろしいオオカミの遠ぼえに、男性の疑念はますます強くなりました。
不安でたまらなくなった男性はついに警察に通報することにしました。警察がすぐに野生動物の専門家に連絡して確認したところ、信じられない答えが返ってきました。男性が3年間も大事に飼っていた「子犬」は、実は純血種の野生のオオカミだったのです。オオカミは無事野生動物救護センターに移され、より適した環境で暮らすことになりました。
この件がネット上で拡散され、ネットユーザーたちは熱い議論を交わしています。オオカミは野性動物の代表とはいえ、人間に3年間も愛情を込めて大切に育てられ、見守られてきたシャンシャンが、記憶の中に温かさや優しさを残してくれるだろうと期待する声が多く寄せられています。